コンテンツにはPRが含まれている場合があります

京都の夏祭り「花背の松上げ」は勇壮で幻想的な火祭りでおすすめ

Mami
Mami

こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。

 

今回は京都の夏祭り「花背の松上げ」をご紹介します。

スポンサーリンク

 花背の松上げとは

10cmほどのヒノキの割木を束ねて荒縄をつけた「上げ松」

花背の松上げとは、毎年8月15日夜9時から行われる聖火奉納の火祭りです

「上げ松」を高さ20mの「灯籠木(トロギ)」に向かって投げ上げ、大籠に点火していくもので、イメージとしては、火を使った玉入れです。

元々「松上げ」の火に托する願いは火難除けでしたが、長い歴史の間に、五穀豊穣や家内安全も祈られるようになり、いつしかお盆の送り火としての意味も併せ持つようになったそうです。

愛宕信仰を現す「松上げ」は若狭街道に沿った山間の村々に古くから伝承されており、

  • 広河原の松上げ
  • 雲ケ畑の松上げ
  • 久多宮の町の松上げ
  • 小塩の上げ松

も火祭りとしての趣旨は同様です。

花背の松上げは、長い間8月23日の深夜〜24日早朝にかけて行われてきたそうですが、現在は故郷を離れた家族が帰省する8月15日に変更されています。

実際に花背の松上げを見に行ってきました

花背の松上げ場。中央に高さ20mの灯籠木が立てられています。

祭りは夜9時からですが、バスの関係上、夜7時頃に松上げ場に到着しました。

あたりは徐々に暗くなりつつあり、観光客もちらほら集まり始めていました。

夜目がきく間に場所の確認を済ませ、あとは持参したおにぎりを食べながら橋の上でゆっくりと待ちます。

 

そして夜9時。

暗闇の中から、松明の行列が見えてきました。

 

松明を持った法被姿の男たちが、川沿いの道路を通り、

 

橋を渡り、

 

松上げ場である「灯籠木場(トロギバ)」へ降りていきます。

ちょうど橋の上にいたので、火の粉がパチパチと弾け飛ぶ音を聞きながら、その勇壮な姿を見送ります。

 

そしてトロギバに立てられた約1,000本の「地松」と呼ばれる松明に火が灯されていきます。

周囲には祭りの担い手の家族も多く、小さい子たちが「パパがんばれ〜!」と応援している姿も微笑ましたかったです。

 

地松に火が灯され始めた当初はロマンチックな雰囲気ですが、

 

約1,000本の地松に火が点け終わる頃には、辺り一体は火の海のようになります。

そしてトロギバ中央では「上げ松」に火を灯し、グルグル回しながら松上げの準備に進んでいました。

 

いよいよ松上げ。

まず古老が中央に建てられた高さ20メートルの大籠に向かって上げ松を投げ上げ、

 

これを機に四方八方から上げ松が飛び交います。

 

最初に大籠に点火した上げ松を「一の松」と呼び、この上げ松を投げた人は一年の無事があると信じられています。

この一の松を目指して「いけ!いけ〜!」「どりゃ〜!」と太い声を上げながら、上げ松を投げ入れる男たち。

お囃子が奏でられる中、点火を競って投げ入れられる上げ松の火が、美しい放物線を描きます。

 

そして上げ松が大籠の中に入ると、太鼓や鉦が囃したて、どっと歓声も上がります。

 

そのうち「ニの松」「三の松」と次々に大籠の中に火が飛び込むと、大籠から天に向かって火柱が上がり、炎が乱舞します。

 

暗闇の中で見る炎の乱舞はなんとも幻想的で、妖しい夢の世界にいるようです。

 

やがて大籠が燃え尽きる頃、灯籠木が倒される瞬間は迫力満点!

ヒノキの大木に巻かれた藁が火の粉を上げ、「ドーン!」と地面を打ち叩く音が暗闇に響き渡ります。

 

そして男たちは神事が全て終わると、伊勢音頭を唄いながら帰って行きます。

 

松上げ自体は約30分間の行事でした。

「火」をテーマに、ロマンチックだったり、優美だったり、勇壮だったり、幻想的だったり、凄烈だったり、と色々な表情を見せてくれる祭で、とても良かったです。

ただ後から気づいたのですが、橋の上からだと電線が思いっきり写真に写り込んでいたので、陣取る場所は橋の上以外がいいかもしれません。

バスや駐車場はある?花背までの行き方

京都の花背は、鞍馬寺や貴船神社よりもさらに北にある山里です。

電車はないので、京都バスもしくは自家用車でしか行くことができません。

  • 京都バスの場合は「花背交流の森前」で下車
  • 自家用車の場合は「山村都市交流の森センター」へ

 

山村都市交流の森センターは、バーベキューや川遊び、木工体験などが楽しめる施設で、駐車場が4カ所用意されています。

そのため自家用車の場合はこれら駐車場の利用が便利なのですが、バーベキューエリアの駐車場が松上げ場に近いのでおすすめです。

 

肝心の「京都バス」に指がかぶってましたが、臨時バスの乗車ワッペン

京都バスの場合は「花背交流の森前」で下車すると、目の前が松上げ場になります。

なお祭り当日は出町柳駅から臨時の直行バスが出ています。

京都バスへの事前予約は必要になりますが、

  • 臨時観光バスの運賃のみ(往復2,300円)
  • 直行便なので早い(出町柳駅前から約1時間)
  • 帰りは鞍馬〜出町柳までの運行ルート上なら、どのバス停でも降りられるのでラク

と、おすすめです。

おすすめの持ち物

松上げ場は「山村都市交流の森センター」の隣にあるので、トイレと自動販売機はあります

ただ売店やレストランは一切ないので、食べ物は持参し、持ち帰る必要があります

(1ヶ所だけ翠峰荘という宿泊施設に食事処はあるのですが、ここは宿泊客専用とのことです)

 

右端の提灯のみが方向確認の頼りに

また山里ということもあり、街灯もわずか。

松上げは夜9時から始まるので、直前は写真のように真っ暗になります。

目が慣れてくれば夜目がききますが、懐中電灯は持参すべきです

特に小さなお子さんが一緒の場合は、懐中電灯だけではなく、お祭りやコンサート会場でよく見る「光るブレスレット」を手首や足首につけておいてあげると安心です。

「花背の松上げ」周辺のおすすめホテル

上でご紹介した出町柳駅から出る臨時の直行バスを利用されるなら、出町柳駅周辺のホテルがおすすめです。

もしくは花背に一番近い観光地としては貴船神社がありますので、貴船神社周辺のホテルがおすすめです。

「花背の松上げ」は夜行われる祭なので、帰りの手段や宿はきちんと確保しておくのが安心です。

 

▼京都の夏祭り「祇園祭」の様子はこちら

祇園祭の見どころは山鉾巡行だけではない!1ヶ月続く主な行事とおすすめホテル
1ヶ月におよぶ京都・祇園祭の見どころや、おすすめホテル情報をまとめています。山鉾巡行以外にも見るべき行事はたくさんあります。

 

京都の世界遺産巡りとおすすめ観光情報まとめ→