こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
この記事では、世界遺産「フエの歴史的建造物群」の観光情報をまとめました。
フエはベトナム最後の王朝、グエン朝が置かれた場所なので、壮大で、優美で、風格を感じさせるものばかり。
宮廷料理の流れを組むフエ料理も絶品でした。
世界遺産「フエの歴史的建造物群」観光ハイライト
フエは、1945年の滅亡まで143年にわたり繁栄したベトナム最後の王朝、グエン朝の都が置かれた街。
近代ベトナムの歴史を物語る旧都で、ベトナム初の世界遺産に登録された歴史的建造物群が点在しています。
今回、フエへはホイアンから車で向かったので、綺麗なラグーンに立ち寄って休憩しながら、片道2時間半ほどで到着。
- 絶景を楽しめる「ハイ・ヴァン・パス」経由で向かう
- 途中「ラン・コー・ビーチ」で休憩
- 豪華絢爛な「カイ・ディン帝廟」を観光
- フエ最大の仏塔「ティエン・ムー寺」を観光
- 絶品フエ料理のランチに舌鼓
- 壮大な「グエン朝王宮」を観光
世界遺産の構成資産としては
- カイ・ディン帝廟
- ティエン・ムー寺
- グエン朝王宮
と有名な3ヶ所を訪問しました。
詳細は最後にまとめていますが、私が利用した現地ツアーは「フエ日帰りツアー」です。
世界遺産フエの歴史的建造物群「カイ・ディン帝廟」
大きすぎて全体を写真ではおさめきれていませんが、カイ・ディン帝廟は大きく3段で構成されています。
ガイドさん曰く、この3段というのは、「天・地・人」あるいは「神・神獣・人」を表現しているそう。
また、左右対称の造りは「陰陽」を表しています。
2段目の踊り場には、官吏や武人、象の石像が並んでいます。
実際に並んでみると分かるのですが、全体的に少し小さめに造られています(私と同じぐらいだったので、身長150cmぐらいかな)。
これは神や皇帝を敬い、偉大さを示すための工夫だそう。
石像の官吏服をよくみると、龍や鳳凰などの神獣が細かくあしらわれています。
3段目にある廟内に足を踏み入れると、眩しいほどに豪華絢爛。
外観とのギャップに驚きます。
フランスに傾倒し、派手好きだったとされる第12第カイ・ディン帝がこの下で眠っています。
ベトナムには蜘蛛がいないそうで、蜘蛛の巣がはることもないので、天井絵からすべて、当時のまま、オリジナルが残されています。
ガラスや貴石、磁器や日本のビール瓶が華やかに彩ります。
世界遺産フエの歴史的建造物群「ティエン・ムー寺」
1601年に天女のお告げによって造られたとの伝説が残る禅寺。
高さ21m、八角7層のこの塔は、その優美さから数々の詩で詠まれてきたそう。
奥に進むと、盆栽広場や日本庭園を感じさせる池があり、「鯉が滝を昇り龍になる」と、日本と同じ伝説が残されています。
庭園で見かけた、こちらの鮮やかな花。
頭の上に偶然落ちてきたら、幸運の証だそう。
庭園の一角に展示されている、このイギリス製のオースティンカー。
私は知らなかったのですが、ツアーでご一緒した欧米のご年配の方々は「衝撃的なニュースだった」と記憶に残っているほど歴史的な車。
当時のニュースをものすごく簡単にまとめると、ベトナム戦争時、熱心なカトリック教徒だったベトナム共和国(南ベトナム)の初代大統領は、仏教徒を弾圧していました。
僧侶ティック・クアン・ドックはこれに抗議するため、このオースティンに乗ってフエから首都サイゴンへ向かい、自らに火につけ「焼身供養」を行います(1963年6月11日)。
事前に外国の報道機関に声をかけていたため、その様子は写真やテレビ映像で世界中に配信され、世界の注目を集めたのです。
今も現地では僧侶の供養が行われているそうなのですが、ちょうど今年(2023年)がこの出来事から60年の節目だったこともあり、日本に帰国すると、日本の新聞でもこの出来事を振り返る記事が掲載されていました。
世界遺産フエの歴史的建造物群「グエン朝王宮」
1802年から1945年まで、13代続いたグエン朝の王宮跡。
約600m四方、高さ6mを越す城壁に囲まれています。
王宮内の建物の多くはベトナム戦争で失われましたが、正門であるこの「午門」は今も残っており、風格が漂います。
ヴァーバン式の築城方法(城壁から外に向かって突き出した角=稜堡を設置し、防衛力を高める)を取り入れ、北京の紫禁城を模したとされています。
午門に上がると見晴らしがよく、中央には玉座や金印が展示されていました。
また、フランスに家族で亡命した、最後の皇帝バオ・ダイの写真も飾られていました。
午門の正面にある、皇帝が謁見に使用した「太和殿」は現在修復中。
王宮の菩提寺である「世祖廟」(中は撮影禁止)。
歴代皇帝の祭壇が祀られているのですが、皇帝の写真がずらりと飾られており、中には幼帝も。
1代目〜4代目までは父子で皇位継承がなされましたが、4代目は子に恵まれなかったため、王宮内で権力闘争がはじまり、短命(*)に終わった皇帝も多かったのがよく分かりました。
*グエン朝は143年間に皇帝が13人。単純計算すると、皇帝一人の治世は11年間のみ。実際は1年以内の皇帝も。
ガイドさんによると、基本的に皇帝には約100人の側室がおり、多いときには500人いたそう(皇帝が変わると、総入れ替え)。
閨に呼ぶ側室を皇帝が選ぶこともあれば、メスのヤギが立ち止まった側室が選ばれるという面白い風習もあったそう。
そのため、側室たちは宦官に賄賂をおくり、ヤギが好む花を仕込んでもらい、チャンスを狙ったそうです。
壮大な王宮なので、観光にかかる所要時間は2時間みておくと安心です。
王宮料理の流れを組む絶品フエ料理
王朝が解体された後、野に下った宮廷料理人たちが庶民に料理を教えたそうで、フエ料理には宮廷料理の面影が残されています。
他の都市に比べ、ひと皿が小さく、上品な盛り付けが特徴です(写真は4人前)。
レストラン「Madam Thu 2」(観光ツアーに含まれていたランチ)でいただいたのですが、どれもこれも美味しくて、個人的にはホイアン料理よりも好みでした。
フエ観光の所要時間はどのくらい?
フエの街はフオン川を挟んで、王宮のある北側の旧市街と、レストランやホテルが集中する南側の新市街とに分かれます。
王宮周辺だけを徒歩で観光するなら半日程度ですが、カイ・ディン帝廟や寺院は郊外に多くあるので、1日ツアーを活用するのが効率的です。
Klookのフエ日帰りツアー
私はフエを旅するにあたり、世界中の旅行・レジャー予約ができる「Klook」で、「フエ日帰りツアー(ホイアン発)」を利用しました。
今回はホイアン発で利用しましたが、複数の都市発で類似ツアーが催行されています。
- ガイドさんのおかげで、歴史を深く学べ、より楽しめた
- 暑さが厳しかったけれど、1カ所見学が終わるたびに、ドライバーさんがキンキンに冷やしたお水やおしぼりを用意してくれていて、おもてなし最高
- ランチのフエ料理は、綺麗な盛り付け&絶品
- 宿泊先のホテルまで送迎してもらえるのでラク
- 旅程に含まれる都市なら、事前相談で乗り降りの融通がきく
- 24時間前までキャンセル無料なので、万が一も安心
英語のツアーにはなりますが、分かりやすい解説で理解が深まりますし、大切なところは表現を変えて説明してくれます(例 “This is wrong. This is not correct.”と表現を変更)。
なお、フエは仏教や王朝文化が深く根付いているので、関連用語を少しでも知っていると、より聞き取りやすいかと思います。
また、ひとり旅の身としては、他の旅人たちと会話できるのも楽しく、このツアーの時は半分以上が多国籍のひとり旅を楽しむ女性たちでした。
さらに、事前相談によってはある程度の融通がきき、同ツアーの参加者たちは下記のように対応してもらっていました。
- ダナンから乗車時にスーツケースもバスに積んでもらい、ツアー後はホイアンで下車(ホテル移動が済む)
- ツアー終了後、フエ駅で降ろしてもらい、鉄道旅へ
ホテルお迎えの詳細時間についてはツアー前日の夜に届きますので、最初は「まだ連絡がこない」と少し心配になるかもしれませんが、安心してください。
もう何回かklookを利用していますが、毎回きちんと連絡はきますし、万が一の場合は問い合わせチャットもあります。
予約時は、(その時のプロモーションにもよりますが)VISAカードで決済すると10%割引が適用されました。
日本語でないと不安という方は、値段は高くなりますが、「kkday」なら類似ツアーを日本語ガイド付きで催行しています(→【日本語ガイド】ダナン/ホイアン発 世界遺産フエ1日満喫ツアー)。
フランスと中国という大国の影響を受けた近代ベトナムの歴史を、ぜひ満喫されてください。