こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は京都にある世界遺産「金閣寺」の見どころをご紹介します。
18年ぶりに屋根の葺き替えが行われ、まばゆいばかりの姿が復活していました。
18年ぶりの屋根工事が終了!金閣寺の黄金の輝きがさらに
京都の世界遺産「鹿苑寺」、通称「金閣寺」では、2020年に舎利殿(金閣)の屋根の葺き替え工事が行われ、18年ぶりにまばゆい姿が蘇りました。
二層目と三層目の屋根部分はサワラ板を約10万枚交換。
屋根上の鳳凰や軒下などは10㎠ほどの金箔、約1万枚を使って補修され、まさに言葉通り「金ピカ」に輝き、大変美しかったです。
早速、金閣寺をぐるり一周してみましょう!
世界遺産・金閣寺の見どころ
左大文字山
いきなりですが、金閣寺の入り口直前、右手の山に注目です。
京都の夏の風物詩「五山送り火」の一つ、「左大文字山」が見えます。
「大」の字が肉眼でもハッキリと見えますよ。
総門・庫裏・鐘楼・唐門・櫟樫
そして綺麗に手入れされている長い道を進むと、
「世界遺産 金閣 鹿苑寺」の標石が見えてきます。
「総門」をくぐると、
右手には意匠を凝らした瓦も見どころの「庫裏」が、
左手には鎌倉時代に作られたと伝えられている「鐘楼」が輝く青紅葉の中に見えます。
突き当たり正面には優美な屋根を持つ「唐門」があり、その左横に拝観受付があります。
受付を済ませたら、京都市指定天然記念物に指定されている巨大な「櫟樫」の脇を通って、奥へと続く一本道を進んでください。
舎利殿(金閣)と鏡湖池
すると、まぶしいほどに輝く舎利殿・金閣と対面できます。
見慣れた風景とはいえ、「うわ〜」と思わず声が出るほど感動的な美しさ。
「鏡湖池」に反射した姿も、やはり見られると嬉しくなりますね。
西の衣笠山を借景とした室町時代の代表的な池泉回遊式庭園で、国の特別史跡および特別名勝指定地となっている「鹿苑寺庭園」です。
受付時にいただけるお札とともに記念撮影。
基本的に逆行は禁止されているので、心ゆくまで堪能してから進んでください。
鏡湖池には「葦原島」など大小の島々や、当時の諸大名が競って献納した奇岩名石(畠山石や細川石、赤松石など)が配されています。
もっと近くで金閣を見ようと順路を進むと、お札をお返しする「おふだ入れ」もあります。
一瞬、ゴミ箱のように見えてしまったのは私だけではないはず。
池の東側(右側)を半周する路なので、角度が変われば、一層目も見やすくなります。
ちなみに肉眼ではハッキリとは見えませんが、金閣の正面には「究竟頂」と書かれた扁額が掲げられています。
左手にある金閣に目が釘付けになりますが、右手には方丈があり、中に入ることはできませんが、遠くに襖絵を眺めることができます。
また書院には大変珍しい形に仕立てられた「陸舟の松」があります。
その名の通り「陸に現れた一艘の舟」のようであり、「おかふねの松」とも呼ばれています
京都市の天然記念物にも指定されている京都三大松の一つなので、お見逃しなく。
【京都三大松】
-
- 金閣寺の陸舟の松
- 善峰寺の游竜の松
- 大原宝泉院の五葉の松
金閣の真横までやってくると、ようやく細部が見えます。
「鳳凰が鎖に繋がれている⁉︎」と一瞬思いましたが、写真を拡大して見ると台座に繋がれているようでした。
ちなみに、この鎖は防火やメンテナンスのときに必要な物のよう。
鎖の垂れ下がった場所の屋根に梯子を掛けて登り、万が一の際は屋根に水をかけて防火したり、補修をしたりするのでしょうか。
太陽の光を浴びて、キラキラと輝く鳳凰。
鹿苑寺が金閣寺と呼ばれるのは、三層からなる舎利殿によるものです。
ただし、きらびやかな金箔が張り巡らされているのは、武家造の二層目「潮音洞」と中国風の禅宗仏殿造の三層目「究竟頂」のみ。
貴族文化の寝殿造で造られた一層目「法水院」だけが木造のため、武家が貴族より上だという足利義満の序列意識の表れと言われています。
真後ろにくると、雷対策のためのアース線が垂れ下がっているのが分かります。
金閣から突き出しているような二本の棒は「雨樋」です。
金閣の屋根は「こけら葺き」(木の薄板を幾重にも重ねる工法)なこと、また三層目は四隅が跳ね上がった中国風のため、強い雨が降ると雨水が屋根の中央に集り、そこから滝の様に流れ落ちるため、何も対策を施さないと二層目の屋根を痛めてしまいます。
そこで雨樋を設け、しかも写真のように長い雨樋にすることで、三層目の雨水が鏡湖池に直接落ちるよう工夫されているのです。
この黄金の雨樋は、金閣の正面側からはほぼ見えないようにも考慮されています。
金閣 鹿苑寺の歴史
金閣寺といえば室町幕府の三代将軍・足利義満が造ったと学校で習いますよね。
でも、元々は鎌倉時代の公卿、西園寺公経の別荘「北山第」を気に入った足利義満が譲り受け、山荘「北山殿」を造ったのが始まりとされています。
そして没後、義満の遺言により、夢窓国師を開山(初代の住職)として、義満の法号鹿苑院殿から二字をとり、鹿苑寺と名付けられました。
まだまだ続く金閣寺の見どころ
順路に従い金閣の後ろへ進むと、まだまだ見どころが続きます。
榊雲
まずは金閣の北に、鎮守春日明神を祀った古廟「榊雲」があります。
銀河泉
続いて、足利義満がお茶の水に使ったと伝えらえている「銀河泉」があります。
今も清水が湧き出しています。
源泉は暗い岩穴の中なので、音を頼りに凝視すると見つけやすいです。
巌下水
隣には、足利義満が手洗いに利用したと伝えられている「巌下水」があります。
金閣寺垣と虎渓橋
続いて現れるのは石段で、中国の故事「虎渓三笑」にちなんで「虎渓橋」と呼ばれています。
「虎渓三笑」を知らなかったので調べてみると、
中国東晋の時代、高僧の慧遠は、廬山の東林寺に隠棲していたが、寺の下にある虎渓と呼ばれる谷はまだ渡ったことがなかった。
ある日、詩人の陶淵明と道士の陸修静が彼のもとを訪れ、その帰りを見送って行くとき、話に夢中になっていつの間にか虎渓を通りすぎてしまった。
虎が吠える声を聞いて、初めてそのことに気づき、三人で大笑いをしたという。
出典『盧山記』
儒教・仏教・道教における三人の賢者が話に夢中のあまり、気がつくと思いがけないところまで来ていたことから、「ある物事に熱中するあまり、他のことをすべて忘れてしまうことのたとえ」でした。
この虎渓橋の両側には低い竹垣があり、右と左で組み方が違うことから「金閣寺垣」と称されています。
龍門滝
隣の「龍門滝」には、龍門の滝を鯉が登りきると龍に化すると言われる中国の故事「登竜門」にちなんだ「鯉魚石」が置かれています。
イメージを膨らませながら眺めると、滝壺に置かれている石が、今まさに跳ね上がらんとする龍の姿に見えてきます。
安民沢
龍門滝の脇にある階段を数段登ると「安民沢」に辿り着きます。
樹林に囲まれた奥深い場所で、日照りが続いても涸れないので、雨乞いの場としても利用されてきたそう。
池の中の小島には「白蛇塚」という五輪の石塔があります。
弁財天のお使いですね。
そして振り返ると、金閣が再び。
ようやく葺き替え工事が行われた屋根の様子が見える高さにまで来ました。
ただ写真は拡大していますが、実際はもっと遠くにしか見えないので、肉眼で細部まで眺めることは難しいです。
夕佳亭
歩みを進めると、昔、高貴な人が座った腰掛石「貴人榻」が現れます。
室町幕府より移設されたものとのこと。
貴人榻に座ってみての眺めはこちら。
かなり低い腰掛石なので絶景とは言えず、金閣も見えず。
腰掛石の奥には茶席「夕佳亭」が建っています。
その名の通り「この茶室から眺める夕日に映える金閣が特に佳い」の意味合いが含まれています。
江戸時代初期、当時の住職が修復を終えた庭園を見ていただこうと後水尾天皇をお茶に招いた際、天皇を迎える茶室が必要だということで、茶人、金森重近に造営を委ねたそうです。
ちなみに金森重近は大原三千院の庭園の修築にも関わっています。
正面にある「南天の床柱」は、南天を使った柱としては日本最大の大きさとして有名です。
その他、右奥にある三角形の棚「萩の違い棚」や、その棚を支える「鶯宿梅」、土間造りの玄関や竃など珍しいものが見られます。
なお現在の夕佳亭は明治時代に再建されたものですが、平成に古図面が発見され、細部の修繕が行われました。
茶室の前には、銀閣を建てた足利義政が大切にしていたとされる富士山型の手洗い鉢があります。
不動堂
境内をぐる〜と回った最後は「不動堂」に辿り着きます。
本尊は弘法大師の作と伝えられている石不動明王で、節分と8月16日に開扉法要が営まれます。
様々な言語のおみくじが設置されており、世界各国から観光客が訪れていることがよく分かります。
お参りを済ませたら、長い階段を降りて、金閣寺ぐるり一周が終了です。
金閣寺の拝観料・拝観時間
【HP】
https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/
【住所】
京都府京都市北区金閣寺町1
【拝観料】
- 大人:400円
- 高校生:400円
- 中学生:300円
- 小学生:300円
【拝観時間】
9:00〜17:00
金閣寺へのアクセス
バスを利用する場合
人気観光地ということもあり、バス停「金閣寺道」を経由する市バスは多数あります。
- 12系統
- 59系統
- 205系統
- M1系統
- 急101系統
- 急102系統
- 急111系統
- MN205系統(深夜バス)
電車を利用する場合
金閣寺の近くを電車は走っていませんが、
- JR「円町駅」
- 京福電鉄、通称「嵐電」の「北野白梅町駅」
から徒歩もしくは市バス利用でも行けます。
円町駅から向かう場合
JR円町駅から向かう場合、バス停「西ノ京円町」から市バス204系統・205系統で「金閣寺道」下車。
所用時間は約15分です。
北野白梅町駅から向かう場合
北野天満宮の最寄り駅である嵐電「北野白梅町」駅から向かう場合、徒歩なら約25分です。
大通り沿いを歩いていくだけなので迷う心配はありませんし、平野神社やわら天神の前も通りますので、お天気がよく時間もあるのなら、徒歩でも良いかもしれません。
ただ色々と京都観光で回りたいとお考えなら、駅前にあるバス停「北野白梅町」から市バス101系統・102系統・204系統・205系統で「金閣寺道」下車がおすすめです。
所用時間は約5分です。
金閣寺周辺のグルメ情報
金閣寺周辺にはフレンチレストランから蕎麦屋、中国茶専門店からソフトクリーム屋まで色々なお店が点在しています。
また京都のお菓子として有名な阿闍梨餅のお店「阿闍梨餅本舗 満月」の金閣寺店も近くにあります。
京都駅で買おうとすると行列も珍しくないモチモチ美味しい阿闍梨餅や、土日祝日限定販売の満月も、予約すれば1個からお取り置きしてもらえます。
金閣寺と合わせて訪れたい世界遺産
金閣寺がある「衣笠エリア」には、同じく世界遺産である龍安寺と仁和寺があります。
大通り「きぬかけの路」沿いに3つのお寺が並んでいるんです。
金閣寺
| 「きぬかけの路」を歩けば約20分、市バスなら59系統で約4分
龍安寺
| 「きぬかけの路」を歩けば約15分、市バスなら59系統で約2分
仁和寺
時間があるなら、金閣寺と合わせて世界遺産巡りを楽しまれてみてはいかがでしょうか。
以上、18年ぶりに輝きを増した金閣寺のご紹介でした。
池に映る金閣寺のリフレクション写真撮影は、風が止んだ一瞬がチャンスです。