こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は、私と同じように、個人事業主・フリーランスとして頑張っていく方のために、開業準備や必要な手続きについてまとめてみました。
個人事業主・フリーランスになる前にやっておくこと
- 開業や税金に関する本を読む
- クレジットカードを申し込む
1)開業や税金に関する本を2〜3冊読む
開業すると避けて通れないのが「資金繰り」です。
資金はとても大切なので、やはり最低限の知識は身につけておきたいところ。
特に、「何が経費として認められるのか」「どんな控除があるのか」税制を知っているのと知らないのとでは、「節税」に差が出てきます。
開業前に読みはじめておくことで、『開業前の支出も、開業後、「開業費」という科目で経費として認められる』などを知ることもできるので、領収書をもらい損ねることもなくなり、安心です。
開業して数年経った今も役に立っている、おすすめの2冊はこちら。
2)クレジットカードを申し込む
会社を辞めて個人事業主・フリーランスになる前に、(ビジネス用の)クレジットカードを申し込んでおくことも重要です。
一般的に、個人事業主・フリーランスは会社員よりも社会的信用が低いと言われており、会社を辞めてから申し込むと審査が通りにくい傾向があるからです。
すでにクレジットカードをお持ちだとしても、これから仕事でかかった経費を効率よく管理するにあたり、事業用として新しく1枚持っておくと便利です。
そして、同じクレジットカードを作るなら、ポイントやマイルが貯まりやすいクレジットカードを選ばれることをおすすめします。
職種にもよりますが、仕事でかかる経費は年間でそれなりの金額になりますので、クレジットカードを上手に利用することで、ポイントやマイルが貯まりやすくなるからです。
たとえば、普段から楽天市場でよくネットショッピングされる方であれば、楽天カード(年会費0円)をつくり、仕事で必要な備品や書籍を楽天で購入することで楽天ポイントが貯まりやすくなります。
また、私のように旅行が好きな方であれば、次の2枚はおすすめです。
カード | 年会費(税込) | 最大の特徴 |
---|---|---|
楽天プレミアムカード | 11,000円 | 全世界900以上の空港のVIPラウンジを無料で使える「プライオリティパス」を無料で手に入れられる |
マイレージプラスJCBゴールドカード | 16,500円 | 業界最高水準のマイル還元率1.5%、年間マイル獲得数に上限なし、マイルに有効期限もなし |
どちらも年会費は有料ですが、高還元率な上に、ホテルや空港での特典が豊富です。
個人事業主・フリーランスになったら必要な手続き
- 国民健康保険へ加入する
- 国民年金へ加入する
- 開業届を提出する
- 青色申告承認申請書を提出する
- その他の届出
1)国民健康保険へ加入する
会社員の場合は、通常、会社が健康保険に加入しています。
会社を退職すると
- 健康保険に加入するのか
- 国民健康保険に加入するのか
- 組合の健康保険に加入するのか
いずれかを選択する必要があります。
健康保険に加入する場合
退職前の健康保険の「任意継続」を選択することになります。
会社の退職日までに継続して2ヶ月以上健康保険の被保険者だった場合に限り、退職日から20日以内に申請することにより、継続的に2年間健康保険の適用を受けることができます。
ただし、健康保険料の自己負担はもちろん、会社が折半してくれていた分も自ら負担することになりますので、退職前の2倍の保険料を払うことになります。
また、任意継続は2年間が限度ですので、2年経てば別の健康保険制度に加入しなければなりません
なお、任意継続はいったん選択すると、2年間は国民健康保険への変更ができません。
参考:全国健康保険協会「健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について」
国民健康保険に加入する場合
国民健康保険に加入する場合、住んでいる市区町村の国民健康保険担当課で手続きを行います。
保険料は、前年の所得、加入する世帯の人数によって決まりますが、市区町村によって計算方式が異なります。
組合の健康保険に加入する選択肢もある
よく耳にするのは「健康保険」と「国民健康保険」だと思いますが、実は、様々な職種に向けた組合の健康保険もあります。
たとえば、ライターやフォトグラファーなど、文芸、美術および著作活動に従事するクリエイターには、「文芸美術国民健康保険組合」に加入するという選択肢もあります。
「文芸美術国民健康保険組合」の場合、収入にかかわらず保険料が一律のため、人によっては国の保険よりもお得になるそう。
あなたの職種に向けた組合健康保険がないか、ぜひチェックしてみてください。
どの健康保険に加入するのがお得なの?
「どの保険料が一番安くなるのか」はそれぞれの所得などにより異なりますので、一概には言えません。
そのため、悩んだ場合は、まずは市区町村の役所のホームページや窓口で計算方法を調べ、国民健康保険料がいくらりなりそうか計算されてみてください。
2)国民年金へ加入する
会社を辞めると、厚生年金から国民年金へ加入することになります。
年金制度には健康保険のような選択肢はありませんので、市区町村の国民年金課で加入手続きを行います。
国民年金は1ヶ月の保険料が定額で、誰でも同じ金額となります。
なお、会社を退職して厚生年金をやめると、自分だけでなく配偶者の分も同時に手続きする必要があります。
そして配偶者自身も国民年金の保険料を納めることになります。
3)開業届を提出する
開業する個人事業主は全員「個人事業の開業・廃業等届出書」を、開業の日から1ヶ月以内に、納税地の税務署に提出する必要があります。
開業するこちらの身としては気合が入るものですが、実際は受付印をポンポンと押されるだけのすごく簡単な手続きで、拍子抜けしたのを今でも覚えています。
忘れてはいけないのは、記入後の届出書をコピーして自分用の控えをつくり、提出と同時にその控えにも受付印を押してもらうことです。
この届出書の控えを、のちに金融機関などから求められることがあるからです。
4)青色申告承認申請書を提出する
開業届を提出すると同時に検討すべきなのが、税金の申告方法を
- 青色申告にするのか
- 白色申告にするのか
ということです。
白色より青色の方がお得なのに加え、手間はそれほど変わらないので、基本的には青色申告にした方がよく、「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の税務署に提出します。
提出期限は開業日によって異なります。
- 開業日が1/1〜1/15の場合:開業した年の3/15まで
- 開業日が1/16〜12/31の場合:開業日から2ヶ月以内
なお、「所得税の青色申告承認申請書」を提出しないと、自動的に白色申告者になってしまい、以下の特典を受けることができなくなります。
主な青色申告の特典
- 青色申告特別控除:所得を減らせる(10万円控除と65万円控除の2種類がある)
- 青色事業専従者給与:家族への給料を経費にできる
- 純損失の繰越控除:損失を翌年に繰り越して税金の計算ができる
65万円控除を受けるには「複式簿記」により必要な帳簿を作成する必要がありますが、「会計ソフトfreee」を利用すれば、ステップに沿って入力するだけで簡単に確定申告(青色申告)が完了します。
私もfreeeを長年使っていますが、簿記の詳しい知識がなくても、直感的な操作で仕訳しやすいので、使い勝手がいいです。
仕訳で困ったときは、freeeはヘルプページが充実しているので、大抵ヘルプページを読めば疑問は解決します。
ヘルプページで解決しない場合は、チャットで質問すれば個別に回答を得られ、サポートも充実。
年度末、確定申告書類を作成する際は、基本的に質問に対して「はい」「いいえ」を選んでいくだけで終了するので、初年度はその手軽さに拍子抜けしたほどです。
5)その他の届出
「開業届」と「青色申告承認申請書」の他にも、
- 従業員として雇用した家族の給与を必要経費として所得から差し引くための「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」
- 従業員の給与から源泉徴収した所得税の納期を半年ごとに変更するための「源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書」
- 給与支払を行う事務所を開設した場合の届出「給与支払事務所等の開設届出書」
などがあります。
こうした書類作成は面倒になりがちですが、無料で使える「開業freee」を使えば、上記いずれの届出も、項目を埋めていくだけで簡単に作成できます。
個人事業主・フリーランスに必要&便利なもの
- 事業用の銀行口座を開設する
- 会計ソフトを導入する
- 名刺を作成する
1)事業用の銀行口座を開設する
事業用の銀行口座を開設する必要もありますが、金融機関を選ぶ際は、
- 利便性(自宅や職場の近くにあるか、ネット上で色々な手続きができるか)
- 得意先の多くがメインバンクとしている(振込手数料を削減できる)
- 融資を受けやすい
などが判断のポイントになります。
個人的には「楽天銀行」のようなインターネットバンキングがおすすめです。
銀行の窓口に行かずに、いつでもスマートフォンやパソコンで入金確認や振込手続きをすることができ、大変便利だからです。
また、窓口やATMで振り込むよりも、振込手数料が安くなるところが多いです。
2)会計ソフトを導入する
年々進化している会計ソフトのおかげで、専門知識がなくても、簡単に帳簿作成が完了します。
個人的には
- ステップに沿って入力するだけと、専門知識がなくても会計処理が簡単にできる
- 銀行口座やクレジットカードから明細を自動で取得してくれる
- レシートをスマホで撮影するだけで金額や日付を自動で読み込んでくれる
- 月額980円(年払いの場合)と安い
- ヘルプページが充実している
- チャットでサポートしてもらえる
- 確定申告の際、青色申告決算書まで自動的に作成してくれる
- スマホから確定申告書の作成まで済ませられるのはfreeeだけ
という理由から、「会計ソフトfreee」をずっと利用しています。
3)名刺
個人事業主・フリーランスになったら、名刺も自分で用意する必要があります。
外注してプロにデザイン作成を頼むのもいいですが、無料で使えるデザインツール「Canva」を使えば、自分でも簡単におしゃれな名刺を作ることができます。
個人事業主・フリーランスのための節税対策
- 小規模企業共済やiDeCoなどを利用する
- ふるさと納税をする
1)小規模企業共済やiDeCoなどを利用する
個人事業主・フリーランスが、節税のため、そして自分の将来のために利用したい制度として、
- 国民年金基金
- 小規模企業共済
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- つみたてNISA
があります。
会社員は「2階建て」、会社によっては「3階建て」の年金制度に対し、個人事業主は「1階建て」となっており、国民年金だけの場合、会社員と比較して将来の年金受取金額はグッと減ります。
そのため、国民年金基金やiDeCoに任意加入するなどして、自分で将来に備える必要があります。
どの制度が適しているかは人それぞれですが、いずれも国が後押ししている制度で、掛け金の所得控除が受けられるなど、節税効果は大きいです。
制度の併用利用もできたりするので、一度、全体像が整理されている書籍で、それぞれのメリット・デメリットを把握されておくのがおすすめです。
実際に読んだおすすめ本もご紹介しておきます。
2)ふるさと納税をする
ふるさと納税も節税効果があると注目されています。
- 楽天ふるさと納税
- さとふる
- マイナビふるさと納税(寄付額の10%分のAmazonギフトカードがもらえる)
厳密には「寄付」ですが、寄付金額から2,000円を引いた額が控除分として戻り、寄付先の自治体から返礼品ももらえるため、出費が実質2,000円と考えれば、節税効果があると言えます。
年収と家族構成により控除上限額は異なるので、控除上限額は目安表やシミュレーターで事前に確認されてくださいね。
以上、個人事業主・フリーランスのための開業手順12ステップをご紹介しました。
抜けているものがないか、ぜひ一つ一つ確認されてみてください。