こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
京都の冬の風物詩の一つである三千院の「初午 大根焚き」に伺ってきたので、その様子をご紹介します。
京都大原「三千院」
京都の冬の風物詩の一つである三千院の「初午 大根焚き」(2022年2月11日〜14日)に伺うべく、大原に到着。
豊かな大自然が広がる中、ゆるゆると坂道を登り続けること約10分。
京都大原「三千院」に到着。
順路に従い、広い院内を参拝していきます。
客殿や宸殿(後白河法皇により始められた声明による法要を今に伝える道場)の中は撮影禁止ですが、客殿よりの池泉観賞式庭園「聚碧園(しゅうへきえん)」は撮影が認められています。
また、希望者はお抹茶(600円)をいただくことができます。
江戸時代の茶人・金森宗和の修築と伝えられている聚碧園を眺めながら、ほんのりシャリシャリ感を楽しめる羊羹と、きめ細かく点てられたお抹茶をいただく、心地よい時間。
小休憩をしたら、さらに奥へと進み「往生極楽院」へ。
お堂に比べて大きい、国宝「阿弥陀三尊像」を納める工夫として、天井は舟底型に折り上げられています。
なお、現在は肉眼では分かりにくいものの、その天井には極楽浄土に舞う天女や諸菩薩の姿が極彩色で描かれています。
その復元模写が出口付近の重要文化財収蔵施設「円融蔵」に展示されているので、当時の鮮やかな様子を見ることができます。
往生極楽院の前で寝そべる「わらべ地蔵」たちの前を通り、さらに奥へと進むと、 大根焚きが行われている「金色不動堂」の前に到着します。
三千院の「初午 大根焚き」
「初午 大根焚き お接待」の看板が見えてきて、スタッフの方が「先にお参りを済ませてくださいね〜」と声かけをされています。
「金色不動堂」は金色不動明王を本尊とし、平成元年に建立された、ご祈願の根本道場です。
その上の「観音堂」には、身の丈3mの立像の観音様がお祀りされています。
お参りを済ませて、いよいよ「初午 大根焚き」の会場へ。
写真では分かりにくいと思いますが、直径10cmほど、厚み5cmほどはあるのではないかという大きな大根で、マスク越しでもお出汁のいい香りが漂ってきます。
地元大原の畑で有機栽培された、ご祈祷済みの大根が大釜で炊かれており、「幸先のよい年をおくっていただきたい」と参拝者に配られます(*)。
*無料接待。ただし三千院の参拝料(大人700円)が必要。
なお、感染症拡大予防の観点から、今回(2022年)は「持ち帰りのみ」となっています。
院内での飲食はできませんが、コンビニおでんのような蓋つき容器と袋にて、持ち帰りやすいよう準備してくださっていました。
後からいただきましたが、大きく分厚い大根だけれど、中までしっかりとお出汁がしみていて、トロトロの美味しさでした。
毎年2月の初午(はつうま:立春を過ぎて初めての午の日)にあわせて行われる三千院の「幸せを呼ぶ大根焚き」。
美味しい大根とご利益をいただいてはいかがでしょうか。
京都大原「寂光院」
せっかくなので、三千院から大原のバス停に戻り、反対側に約15分歩くと到着する「寂光院」まで足を伸ばしました。
「寂光院」は天台宗の尼寺で、推古2年(594年)に聖徳太子が御父・用明天皇の菩提を弔うために創建されました。
初代住職は、聖徳太子の御乳人であった玉照姫(たまてるひめ)。
以来、代々高貴な家門の姫君らが法灯を守り続けてきた「女院の閑居御所」です。
諸行無常の鐘楼や、千年の姫小松など、本堂前西側の庭園は『平家物語』当時のまま。
江戸時代には、豊臣秀頼や淀君、徳川家康らが再興に手を尽くしました。
本堂右手裏山には、第3代住職の建礼門院徳子の御庵室跡も残されています。
限定運行の「特急・大原女号」が便利
大根焚きの行事に合わせて、京都駅〜大原をつなぐ「特急・大原女号」が限定運行されていました。
通常運行のバスとは異なり、京都駅〜出町柳駅〜八瀬駅〜大原のみ停車するため、スムーズに移動することができました。
なお、予約は不可で、定刻前にバス停へ並んで乗り込みます。
車内では京都バス創業100周年記念ソングが流れ、大原や貴船、嵐山などが歌詞に登場していました。
以上、京都大原「三千院」の「初午 大根焚き」のご紹介でした。