こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は「丹波の祇園祭」とも呼ばれる、京都の「亀岡祭」をご紹介します。
亀岡祭とは
亀岡祭は毎年10月に1ヶ月間かけて行われる鍬山神社の鍬山宮・八幡宮二社の例祭です。
亀岡祭が「丹波の祇園祭」と呼ばれる理由は、祇園祭と同じく、煌びやかな装飾が施された山鉾が城下町を巡行するためです。
ちなみに京都祇園祭の山鉾行事はユネスコの無形文化遺産に、亀岡祭の山鉾巡行は京都府の無形民俗文化財に登録されています。
亀岡祭は、戦国時代の混乱で中断したり、明智光秀が築いた亀山城が廃城された後に衰退したりという歴史がありつつも、現在では地元の方々を中心に賑わいをみせ、亀岡最大の秋祭りにまで再興されました。
亀岡祭の行事日程一覧
日程 | 行事内容 |
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10月1日 | 氏子領境八箇所御斎(おいみの)榊(さかき)立て<鍬山神社> |
10月5日 | くじ取り式 <亀岡市議場> |
10月18日 | 御神輿飾り <鍬山神社> |
10月20日 |
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10月23日 | 宵々山
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10月24日 | 宵宮
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10月25日 | 本祭
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10月26日 | 御神輿仕舞い <鍬山神社> |
亀岡祭の中でも最も盛り上がりをみせるのは、10月23日(宵々山)、24日(宵宮)、25日(本祭)の3日間です。
亀岡祭の宵々山・宵宮の様子
23日(宵々山)と24日(宵宮)は、本祭に向けた「前々夜祭」と「前夜祭」にあたるので、朝から山建てと飾りが行われる他、夕刻から夜祭が行われます。
夜祭では
- 全11基の山鉾を巡るスタンプラリー
- 御神酒・甘酒・昆布茶などのふるまい
- 街角ギャラリー
- 囃子の演奏
などの各種イベントが行われます。
今回は24日の宵宮に行ってきました
亀岡駅に着いた段階では人通りも少なく、本当に宵宮が行われているのか不安に感じるほどでしたが、亀山城跡に近づくにつれ、行灯や提灯が夜の城下町を幻想的に照らしつつ、道しるべとなってくれました。
城下町だからこその風情も感じられて、とても趣のある演出でした。
特に行灯は各町内ごとにデザインが凝らしてあり素敵でした。
ぜひあなたも行灯チェックをしてみてください♪
そして御旅所である形原神社のまわりには
夜店が多数出店していて、とても賑わっていました。
亀岡祭の山鉾は、祇園祭の山鉾と比べるとコンパクトで、高さは2階ほどのものが多かったです。
それでも煌びやかで国際色豊かな前懸幕や胴懸幕、水引幕などは、まさに祇園祭を彷彿とさせました。
各町内で甘酒や昆布茶などの振る舞いをいただきつつ散策をしていると、町内の人々が一丸となって亀岡祭を盛り上げている感じがすごく伝わってきました。
町内の子供達が元気よくお囃子を演奏したり、振る舞いの配膳の手伝いをしたり、ご近所同士で「うちの孫が〇〇山でお囃子演奏するねん」など家族話に花を咲かせていたり。
随所に「ボランティアトイレ」として町内の一般家庭のトイレもご好意で解放されていました。
私が育った地域では亀岡祭のような地域祭はなかったので、特に思い出があるわけではないのですが、
「あ〜、昔ながらの良いお祭りだな」
と感じられ、とても温かい気持ちになりました。
亀岡祭の本祭の様子
25日の本祭ではいよいよ「山鉾巡行」が行われます。
祇園祭と同じく「くじ取り式」によって巡行順を決定した山鉾11基が、呉服町〜旅籠町〜柳町と巡ります(青い矢印)。
公式案内では「城下町巡行は10時〜13時まで」とありましたが、「くじ改め」などの式典を行っての巡行は11時からです。
祇園祭では「くじ改め」のポイントを一観光客が陣取ることは不可能ですが、亀岡祭ならまだそれが可能です(地図画像の星マークの場所)。
「山壱番!」くじの内容を初めて見ることができました。
羽衣山では、女の子たちが可愛らしい衣装で粽を渡していました。
鍬山の男の子、キマっていました^^
亀岡祭の山鉾は小ぶりとはいえ、巡行する道路は道幅が狭く、背景も電線が目についてあまり良くありませんが、それでも地元の方々が団結して山鉾を曳く様子は熱いものを感じます。
そして祇園祭との最大の違いは「亀岡祭なら女性が参加できる」という点です。
祇園祭の担い手は男性のみしか許されておらず、鉾によっては、女性が触ることすら許されていません。
しかし亀岡祭では「音頭取り」や「はやし方」として、小学生や中学生の女の子たちが多数担っていました。
これぞ地域の秋祭り!
また「辻回し」も大きく異なります。
祇園祭の山鉾は何トンもあるので、車輪の下に竹を敷きながら「引っ張り」回します。
しかし小ぶりな亀岡祭の山鉾の場合は、屈強な男性陣が山鉾を少し「持ち上げ」、山鉾の下に柱を建て、この柱を軸に360度回転させます。
持ち上げる際は山鉾が45度くらい傾くので、上に乗っている人々は怖いのではないかと思いつつ、無事に辻回しが済むと拍手喝采となります。
亀岡祭への行き方
亀岡祭はJR「亀岡駅」から徒歩10分ほどにある亀山城跡周辺にて開催されます。
祭り当日は各所で交通規制がされるので、自家用車ではなく、公共交通機関を利用して参加するのがおすすめです。
JR「亀岡駅」までは、京都駅からJR「嵯峨野線」の快速に乗車すると、約20分ほどで着きます。
京都駅と亀岡駅の間には、有名観光地の嵐山もあるので、亀岡祭の前後に嵐山観光を組み込むのもおすすめです。
亀岡祭での宿泊は湯の花温泉がおすすめ
宵々山や宵宮を楽しんでいると、あっという間に夜遅くなってしまいます。
そこで亀岡市内に宿泊し、翌日以降、山鉾巡行を見たり、嵐山観光に出かけたりなどの旅プランを立てるのもいいですね。
実は亀岡には「湯の花温泉」があり、特に「翠泉」と「すみや亀峰菴」というお宿が個人的にはおすすめです。
すみや亀峰庵は「朝食の種類の豊富さ」で感動させてくれました。
次から次へと小鉢が運ばれてきて、さらにビュッフェ形式でもおかずを楽しむことができます。
ちなみに、この朝食は楽天トラベル朝ごはんフェスティバル第2位(2016年・京都府)に選ばれていますが、納得の結果でした。
10月は亀岡祭へGo!
祇園祭は7月という大変暑い季節に行われ、人混みもギュウギュウ詰めで半端なく、熱中症で倒れる人も多いです。
その点、亀岡祭は10月という過ごしやすい季節に行われ、人混みも祇園祭ほど混み合いません。
そのため疲れることなく、祭自体をしっかりと楽しむことができます。
また宵々山や宵宮、「コンチキチン♪」のお囃子演奏に、山鉾巡行と、その雰囲気は祇園祭に引けをとりません。
京都駅から電車一本でアクセスできて、温泉だって楽しめる。
2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』では、この亀岡を治めた明智光秀が主役。
ぜひ一度亀岡を訪れてみてはいかがでしょうか。