こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
この記事では、ポルトガルの世界遺産「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」があるベレン地区を1日で効率よく観光する方法をご紹介します。
ベレン地区には複数の観光名所がありますが、人気ゆえに長蛇の列ができており、1日であちこち見てまわるには、作戦が必要です。
ポルトガルの世界遺産「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」とは
世界史を学んだ方なら、エンリケ航海王子という名前に聞き覚えがあると思います。
15世紀初め、ヨーロッパの列強が争っていた時代に、ポルトガルは未知の海へと乗り出しました。
輝かしい大航海時代の幕開け。
ベレン地区には、そんな大航海時代を代表する歴史的建築物が残されており、一部は世界遺産にも登録されています。
特に、ポルトガル黄金期の、マヌエル様式を代表する壮麗なジェロニモス修道院は必見です!
世界遺産をはじめとしたベレン地区の観光名所
ベレン地区には
- ジェロニモス修道院(世界遺産)
- ベレンの塔(世界遺産)
- 国立考古学博物館
- 発見のモニュメント
- 国立馬車博物館
- アジュダ宮殿
- クリスト・レイ
- 4月25日橋
- 海洋博物館
- ベラルド美術館
- マート(アート・建築・テクノロジー美術館)
- 国立古美術館
と歴史的建築物だけでなく、博物館や美術館も多数あります。
またナタの老舗「パステイス・デ・ベレン」も外せません。
ベレン地区への行き方
リスボン中心部からベレン地区までは
- 路面電車:15番(Mosteiro dos Jerónimosで下車)
- バス:複数の路線あり(Mosteiro Jerónimosで下車)
- 列車:カスカイス行き(Belem駅で下車)
と様々な方法で行くことができます。
特に、路面電車やバスならジェロニモス修道院の前で降りればいいので、迷うことがありません。
ベレン地区を観光する日は、リスボアカードで公共交通機関に乗るのがおすすめです。
公共交通機関が「乗り放題」になるだけでなく、ベレン地区の多くの観光名所に「無料で入場」できるからです。
1日で効率よくベレン地区を観光する方法
ベレン地区はリスボンの中でも大人気の観光エリアのひとつ。
特に、世界遺産にも登録されているジェロニモス修道院とベレンの塔には、世界中から観光客が押し寄せるので、入場までに2〜3時間並ぶことも珍しくありません。
たとえば私は開館20分前にジェロニモス修道院に到着したので、スムーズに入場できましたが、
見学を終えて外に出てみると、人・人・人の大行列でした。
その後はベレンの塔などを訪れましたが、どこも大行列で、入場までに長時間並びました。
なお観光名所によっては、リスボアカード所持者を対象とした入場の列(Fast Track)が用意されていますので、チケット購入する手間なく入場できます。
ただし「リスボアカード所持者の列」と「チケット購入者の列」とを交互に入場させること、そしてリスボアカード所持者が多いことから、時には、チケット購入者の方が並ぶことなく入場できていた印象を受けました。
行列緩和のために、ポルトガル側も頻繁に入場ルールを変えて試行錯誤しているようなので、Fast Trackの仕組みをはじめ、最新情報は現地で確認してください。
結果、私の場合は、1日かけて
- ジェロニモス修道院(入場)
- 発見のモニュメント(入場はせず)
- ベレンの塔(入場)
- アジュダ宮殿(入場)
と4カ所訪れるのが時間的に精一杯でした。
少なくとも、あと国立考古学博物館だけは訪れたかったのですが、ジェロニモス修道院の見学を終えた時には長蛇の列ができていたのと、閉館15分前まで入場できるとガイドブックにあったので、後回しにして、閉館30分前に駆け込んだところ、「もう今日は終わりだよ」と…。
やはり観たい名所には優先順位をつけ、優先度が低い名所は、入場はせずに、外観だけを楽しむという判断も必要でした。
世界遺産ジェロニモス修道院
広大なジェロニモス修道院。
右側の行列が南門、左側の行列が西門です。
リスボアカードを持っていると、無料で入場でき、Fast Trackもあります。
南門の細かな装飾には、目を見張るものがあります。
スペイン人建築家ジョアン・デ・カスティーリョによって1518年に造られたもので、マリア像を中心に、24人の聖人や高位聖職者の像が据えられています。
門の中央に置かれたエンリケ航海王子。
マヌエル一世の紋章である天球儀(ドーム上)や大航海時代を牽引したキリスト騎士団の十字など、マヌエル様式の特徴的なモチーフが随所で見られます。
回廊
中庭を囲む55m四方の回廊。
回廊でも、天球儀、エキゾチックな動植物、鎖、ロープの結び目、舷窓の蓋、サンゴなど、マヌエル様式の装飾を随所で見ることができます。
幾重にも施されたアーチによる美しい回廊にも、
ポルトガル王国の紋章をはじめ、様々な彫刻が施されています。
食堂
建築当時は修道士の共同室として使われていたそう。
壁面を18世紀のアズレージョが飾ります。
サンタ・マリア教会
天に向かってそびえる柱は、ヤシの木を模したそう。
柱には海をモチーフにした模様が隙間なく刻まれています。
エキゾチックで、海洋的な装飾です。
- エンリケ航海王子とヴァスコ・ダ・ガマの偉業を讃えるため
- 新天地へ向かう航海の安全を祈願するため
- マヌエル1世の霊廟として
インドから輸入される胡椒の収入をつぎ込み、約1世紀をかけて完成したジェロニモス修道院。
見応えたっぷりです。
「ジェロニモス修道院」と「発見のモニュメント」の間には幹線道路が通っていますが、地下道を利用するとスムーズに往来できます。
発見のモニュメント
発見のモニュメントは想像以上に大きく、
目の前はテージョ川ですが、まるで海に乗り出すかのような迫力で造られています。
リスボアカードを提示すれば、20%割引で入場もできます。
エンリケ航海王子、ヴァスコ・ダ・ガマ、マゼラン、フランシスコ・ザビエルなど、世界史で学んだ偉人たちが大集合。
望遠写真で分かりにくいと思いますが、発見のモニュメントの背面は「剣」の形となっており、武力で大航海時代を切り拓いてきたことが伝わります。
「発見のモニュメント」から「ベレンの塔」までは歩いて10分ほどですが、
発見のモニュメントの前にある、電動キックスケーターシェアリング「Lime-S」を利用して、川沿いをすーっと気持ちよく移動している人々もいました。
世界遺産ベレンの塔
ベレンの塔は、もとはテージョ川を行き交う船を監視し、河口を守る要塞として造られましたが、後に船の通関手続きを行う税関や灯台としても使われました。
マヌエル様式の優雅なテラスをもつこの塔を、司馬遼太郎さんは貴婦人がドレスの裾を広げている姿にたとえ「テージョ川の貴婦人」と表現しています。
リスボアカードを持っていると、無料で入場できます。
ただし小さな橋を渡っての入場なのと、塔内の階段が狭いため、
30分ごと、60名ずつ、と入場制限がされており、リスボアカードのFast Trackを利用しても2時間近く並びました。
塔内は想像以上にシンプルですが、テージョ川の眺めは最高です。
各階への移動は、階段がとても狭いため、上れるタイミングと下れるタイミングとが決められています。
みんなで譲り合いながら塔内を見学します。
テラス(砲台)の中央には、船乗りたちが航海の無事を祈ったというマリア像が置かれています。
3階部分に施されているのは、ベレンの塔の着工を命じたマヌエル1世の紋章です。
堡塁には窓に向かって砲台がずらっと並んでいて、実際に触って動かすことができます。
私は時間がなかったのですが、現地の人が「ベレンの塔から見える夕日も綺麗だよ」と教えてくれたのも納得の眺めでした。
アジュダ宮殿
アジュダ宮殿は、テージョ川沿いに集中している他の観光名所から少し離れており、丘の上にあります。
なかなか急な坂道を登らないといけないので、バスでの移動がおすすめです。
アジュダ宮殿もリスボアカードがあれば、無料で入場できます。
中心から少し離れているせいか、並ぶことなく入場できました。
ブラガンサ王朝の居城の一つです。
1794年に火災で消失したため、現在の建物は19世紀初めにイギリスのバッキンガム宮殿を模して建設されました。
王族の華やかな暮らしが偲ばれます。
そしてビックリ!
日本の甲冑と、龍の顔をした馬が!
絶対食べて!パステイス・デ・ベレンのナタ
ナタ(エッグタルト)の老舗「パステイス・デ・ベレン(Pasteis de Belem)」はジェロニモス修道院のすぐ近くにあります。
店外に行列ができていますが、この行列は持ち帰り用の列です。
店内は広く、席数も多いので、せっかくなら店内で出来たてを食べるのがおすすめです。
店内で食べる場合は、先にテーブルに座り、ウェイターに注文してください。
エッグタルトだけでなく、サンドウィッチなどの軽食も充実していました。
パステイス・デ・ベレンは、ジェロニモス修道院から伝えられた配合と作り方を今もかたくなに守っており、レシピは門外不出とのこと。
周りのパイ皮は高温&短時間焼きのため、春巻きの皮のように、しっかりしているけれど、パリパリ。
クリームはとても滑らかで、甘さは控えめだけれども、濃厚で、卵の黄味をしっかり感じられます。
美味しかった〜。
以上、世界遺産「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」があるベレン地区を1日で効率よく観光する方法をご紹介しました。