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ユーレイルパスとは?購入方法・使い方・座席予約・料金・割引を徹底解説

ユーレイルパスとは
Mami
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こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。

 

今回はヨーロッパ周遊鉄道パス「ユーレイルパス」について徹底解説します。

 

この記事はポルトガルで2週間の鉄道の旅を楽しんだ際の体験が元になっていますが、仕組みはヨーロッパ各国で共通です。

 

かなりボリュームのある記事ですが、ユーレイルパスの利用を考えている方の参考になれば幸いです。

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ユーレイルパスとは

ユーレイルパスとは

ユーレイルパス (Eurail Pass)とは、ヨーロッパの各都市を周遊できる鉄道チケットです

最大、ヨーロッパ33ヶ国、4万以上の都市をカバー。

個別にチケットを購入する手間がかからないので、自由にヨーロッパ鉄道旅を楽しみたい方には最適です。

紙チケットが不要の、「ユーレイル・モバイルパス」が拡大しています!

この記事は紙チケット解説がメインとなっています。

多くの国がすでにモバイルパス対応していますので、モバイルパスの購入方法や使い方はこちらの記事でご確認ください

ユーレイルパスを利用できる人

ユーレイルパスはヨーロッパ以外に住んでいる人のみが利用できるので、日本にお住まいであれば利用できます

またヨーロッパに住んでいても、日本国籍であればユーレイルパスを利用できます

なのでヨーロッパに留学中の学生さんでも、日本国籍であれば、ユース割引(12〜27歳)も利用して、夏休みなどの長期休暇にヨーロッパ周遊の旅をする、なんてこともできますね。

ユーレイルパスの選び方

ユーレイルパスは複数のプランが用意されているので、以下3ステップに従って選ぶとスムーズです。

1)訪問したい国の数で絞り込む

まずユーレイルパスは2種類に大別されます。

複数の国を巡りたいのか、1カ国をじっくり巡りたいのかにより選択します。

種類 特徴
グローバルパス 31ヶ国で有効
1ヶ国パス 1ヶ国のみで有効

ユーレイルパスが利用できる国や鉄道会社は下記の通りです。

基本的に、日本のJRのような、各国の「国鉄」を利用できます。

鉄道会社(略称)
オーストリア(リヒテンシュタインを含む) ÖBB + Westbahn
ベルギー SNCB/NMBS + Thalys* + Eurostar*
ボスニア・ヘルツェゴビナ ŽFBH +  ŽRS
ブルガリア BDŽ
クロアチア
チェコ ČD + RegioJet + LeoExpress
デンマーク DSB + NT + Arriva
フィンランド VR
フランス(モナコを含む) SNCF + Thalys* + Eurostar*
マケドニア共和国 MZ-T
ドイツ DB + Thalys*
イギリス ATOC + Eurostar*
ギリシャ TRAINOSE + Attica Group
ハンガリー MÁV-Start + GySEV
イタリア Trenitalia
アイルランド IE + NIR
リトアニア LG
ルクセンブルク CFL
モンテネグロ ŽPCG
オランダ NS + Thalys*
ノルウェー NSB
ポーランド PKP
ポルトガル CP
ルーマニア CGR
セルビア SV
スロバキア ZSSK
スロベニア
スペイン RENFE
スウェーデン SJ
スイス SBB/CFF/FFS + BLS
トルコ TCDD

またギリシャ諸島では、「グローバルパス」もしくは「ギリシャアイランドパス」により一部フェリーが利用できます。

注釈1)
ベルギーおよびスイスの「/」は、同じ鉄道会社ですが、オランダ語やフランス語など、言語による表記の違いで区切っています。

注釈2)
「*」の鉄道会社では、出発国と到着国の両方でグローバルパスが有効であることが必要です。

注釈3)
最新情報は「Rial Planner」というユーレイパスの無料アプリでご確認ください。

2)乗車頻度で絞り込む

次に、有効のカウント方法により、それぞれ2種類のパスに大別されます。

種類 特徴
フレキシパス 有効期間中、所定の日数のみ利用できる
連続(乗り放題)パス 有効期間中は何度でも利用できる

フレキシパスとは、例えば「有効期間1ヵ月間のうち、(好きな日に)5日間使用できる」というチケットです。

有効日数は複数のプランが用意されています。

例えば「お気に入りの都市では数日間滞在したい」ならフレキシパス、「できるだけ多くの都市を訪れたい」なら連続(乗り放題)パスという選択ができます。

ただ1カ国パスの場合、フレキシパスのみ用意している国がほとんどです

3)車両の等級で絞り込む

最後に、車両の等級を選びます。

1等車両はグリーン車、2等車両は普通車というイメージです。

等級 特徴
1等車両
  • 1等車両でも2等車両でも乗車可能
  • 広い座席で快適
  • ドリンクサービスなど、特典付き
2等車両
  • 一般的な車両
  • 追加料金を払うことで、1等車両に乗車可能

区間によっては1等車両が走っていないことや、ほとんどの高速鉄道および夜行列車では追加料金を支払って予約する必要があるため、

お得に旅したいなら、

ひとまず2等車両のユーレイルパスを購入し、1等車両に乗りたい列車のみ、その場で追加料金を支払い、1等車両のチケットを入手する方法がおすすめです。

ユーレイルパスの料金表

ここでは大人1人あたりのユーレイルパスの価格をご紹介します。

グローバルパス

フレキシパス 1等 2等
1ヵ月間のうち3日間 €290 €217
1ヵ月間のうち5日間 €374 €281
1ヵ月間のうち7日間 €444 €334
2ヵ月間のうち10日間 €531 €399
2ヵ月間のうち15日間 €654 €491
連続(乗り放題)パス 1等 2等
15日間 €587 €441
22日間 €686 €515
1ヵ月間 €888 €667
2ヵ月間 €970 €727
3ヵ月間 €1196 €897

1カ国パス(ポルトガルの場合)

フレキシパス 1等 2等
1ヵ月間のうち3日間 €123 €92
1ヵ月間のうち4日間 €152 €114
1ヵ月間のうち5日間 €178 €134
1ヵ月間のうち6日間 €204 €154
1ヵ月間のうち8日間 €252 €189
Mami
Mami

私はリスボンやポルトでは連泊したかったのと、訪れたかった都市間があまり離れておらず、長距離鉄道や高速鉄道を利用する必要がなかったので、「ユーレイル ポルトガル パス・1ヵ月間のうち5日間(2等車)利用可能なフレキシパス」を購入してみました。

ユーレイルパスの各種割引

ユーレイルパスには各種割引も用意されています。

割引の種類 割引額
子供割引(0〜11歳) 無料(ただし4〜11歳はユーレイル小児用パスが必要)
ユース割引(12〜27歳) 最大23%割引
シニア割引(60歳以上)  10%割引

▶︎「ユーレイルパスは本当にお得なのか?」の検証結果

ユーレイルパスの購入方法

ユーレイルからユーレイルパスを購入する方法

ユーレイルパスは公式サイト「Eurail(ユーレイル)(日本語)」から購入できます。

ユーレイル
2022年3月にユーレイルのロゴが新しくなりました。
そのため、私が利用時のもの(写真)とはデザインが異なってきますが、購入方法や使い方に変更はありません。

画面右上で「言語」と「通貨」の切り替えができるので、日本語で表示されていれば難しくはありません。

メニュー中央にある「ユーレイルパス」をクリックし、「グローバルパス」か「1カ国パス」を選択。

あとは遷移先のページで「購入枚数」「車両等級」「有効日数」などを選択して、購入手続きに進みます。

支払い方法は、各種クレジットカードとPayPalから選べます。

アフターサービスは英語・スペイン語・ポルトガル語での対応のみ。

国際配送料は別途かかりますが、代理店へ支払う手数料がかからないので、安く購入しやすいです。

なおチケットをカートに追加した後は通貨の変更ができないので、最初に通貨は選択しておくのがおすすめです。

 

後日

  • ユーレイルパス
  • ユーレイルパスの使い方ガイドブック
  • ユーレイルマップ(路線図)

が届きました。

ユーレイルパスの使い方

手元に届いたら確認すべきこと

3つ折りのカバーに、乗車券がホッチキスで止められています

まずユーレイルパスがですが、パスカバーと乗車券が一緒についている場合にのみ有効なので、決して切り離してはいけません

 

ユーレイルボルトガルパス

そして手元に届いたら

  • Category(大人か子供かなど)
  • Validity(有効期間)
  • Name(苗字のみ表記されます)
  • Country(国籍)
  • Class(車両の等級)

に間違いがないか確認します。

なおパスポート番号や利用日などを記載する項目がありますが、決して事前に記入してはいけません!

利用開始手続き前に何かしらの書き込みするとパスが無効となり、使えなくなってしまいますので注意してください。

利用開始手続き(ポルトガル編)

実際にユーレイルパスを利用するには、「アクティベーション」や「ヴァリデーション」と呼ばれる利用開始手続きが必要になります

利用開始手続きは、ユーレイルパス購入から11ヵ月以内に行う必要があり、基本的には各鉄道会社の窓口で行います。

ただし、一部の代理店では、日本で事前に利用開始手続をしてくれるところもあります(有料サービスの場合が多い)。

 

私はポルトのサンベント駅で利用開始手続きを行いました。

 

ユーレイルパスの利用開始手続き

手続きは「Activation please」もしくは「Validation please」と言いつつ

  • ユーレイルパス
  • パスポート(パスポート番号を提示できればいいので、コピーでも可でした)

を提示するだけです。

 

ユーレイルパスのアクティベーション完了

すると職員さんが「利用開始日と終了日」「パスポート番号」を記入しつつ、利用開始手続きをした日の「スタンプ」を押してくれ、手続きは完了です。

窓口が混んでいなければ、5分ほどで終わります。

なお利用開始手続きは、必ずしも利用開始日にする必要はないので、

  • 駅窓口の長蛇の列に並びたくない方
  • 最初に乗車する列車が早朝/深夜で、駅窓口がオープンしているか心配な方
  • 最初の列車が適用国でない国から適用国に入る場合

などは、時間に余裕がある時に、あらかじめ利用開始手続きをしておくと安心です。

ユーレイルパスで実際にポルトガル鉄道に乗車してみた

ユーレイルパスでポルトガル鉄道に乗車

ポルトガル鉄道の場合、車内で車掌さんが乗車券の確認に回ってくるので、ユーレイルパスを見せるだけです。

ただし、車掌さんの確認の前に、カバー部分にあるトラベルダイアリー(Travel Diary)

  • 出発日時
  • 出発駅
  • 到着駅

をボールペンで記入しておく必要があります。

また私のようにフレキシパスの場合、特定の日数のみ利用できるパスなので、車掌さんの確認の前に、乗車券下部のトラベルカレンダー(travel calendar)にも利用日を記入しておく必要があります

消えないペンで記入しないといけないことと、記入済みの旅行日の変更は不正とみなされるので、柔軟に利用するためにも、乗車前にその都度記入するのがおすすめです。

 

なお、トラベルダイアリー部分まで確認する車掌さんは少なかったです(今回は8回乗車して2回のみ)が、あえての手書きというのが思い出になりますね。

ユーレイルパスの座席予約方法

ユーレイルパスがあれば、ヨーロッパ各地のほとんどの列車に乗れますが、

ユーロスターのような国際列車をはじめ、高速鉄道や夜行列車の場合は全席指定の列車が多く、追加料金を支払って席を予約する必要があります

一例

  • TGV(フランス)
  • Thalys(フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ)
  • Lyria(フランス)
  • Trenitalia Freccia(イタリア)
  • PKP AVE(ポーランド)
  • PKP EIP(ポーランド)
  • Eurostar(イギリス、フランス、ベルギー、オランダ)
  • Alfa Pendular(ポルトガル)
  • Intercidade(ポルトガル)

席の予約は、駅窓口だけでなく、ユーレイルパスの公式サイトからもできます

また対応している鉄道会社は限られていますが、アプリからオンライン予約可能な列車もあります。

予約方法 予約可能期間
ユーレイル公式サイト 3カ月前から3時間前まで
ユーレイル公式アプリ 3カ月前から1時間前まで
駅の窓口 3カ月前から1時間前まで
電話 3カ月前から1週間前まで
各鉄道会社の公式サイト 3カ月前から1週間前まで
各鉄道会社の公式アプリ 各鉄道会社による

夏のヨーロッパは観光ハイシーズンなので、オンラインで早めに座席予約をしておくと安心です。

ポルトガル鉄道の場合、公式アプリ「Comboios de Portugal」からも予約ができます。

座席予約がいるのかの確認方法

レイルプランナー

ユーレイル公式アプリ「Rial Planner(レイルプランナー)」を利用して列車検索をすると、「乗りたい列車は座席予約が必要なのか」がすぐに分かります。

 

レイルプランナーでの検索方法

座席予約が必要な場合は、検索結果に「Additional reservation needed」という表示が現れます。

またフィルター機能もついているので、「No reservation needed(予約不要)」にチェックを入れて検索をすると、予約不要な列車のみでの旅程が表示されます。

夜行列車の日数のカウント方法

フレキシパスの場合、有効日数が限られているので、夜行列車に乗った場合の日数のカウント方法が気になりますよね。

この場合ですが、0:00以降に列車を変更しないなら、1日としてのカウント方法は「出発日」が基準となり、トラベルカレンダーに記入する日は「出発日のみ」で大丈夫です。

ただし到着日もパス全体としては有効期間内である必要があります。

ユーレイルパスの特典

ユーレイルパスを持っていると

  • フェリーが最大50%割引
  • 市内交通カードが最大50%割引
  • 美術館や博物館の入館料が最大50%割引
  • 各種ツアー料金が最大50%割引
  • ホテルが最大20%割引
  • カフェで最大10%割引

など各種特典が受けられます。

対象国31カ国で膨大な数の特典があるので、特典も公式アプリ「Rial Planner」で検索するのがおすすめです。

「More>Pass benefits>国の選択」で特典内容を調べられます。

ポルトガルでは、ポルトカードの割引やCPラウンジの利用がおすすめです。

CPとはポルトガル鉄道のことで、CPラウンジはリスボンのオリエンテ駅(Oriente)にて、月曜から金曜日まで(祝日は除く)オープンしています。

アルファ・ペンドゥラールのような、予約制・高速列車の1等車両パスを持っていることが条件にはなりますが、出発の前後2時間まで利用できます。

CPラウンジでは無料WiFiが提供されています。

ユーレイルパスの路線図

ユーレイルパスの路線図

ユーレイルパスで「どの区間の鉄道が乗れるのか」を調べるには、ユーレイルマップ(公式サイトや、チケットと共に届く路線図)を眺めるのがわくわくします。

そして行き先を決めたら、ユーレイルパスもしくは各鉄道会社の公式アプリで時刻表や所要時間を調べていきます。

ポルトガルの場合、CPのアプリ(Comboios de Portugal)が使いやすくておすすめです。

ユーレイルパスは現地購入できる?

ユーレイルパスは、日本国籍であることを証明できれば、ヨーロッパ現地でも購入可能です。

ただしヨーロッパ以外の居住者を対象にしているパスだからなのか、20%ほど割高となります。

日本で購入しておいた方が安く済みますし、旅行チケットが手元に届くわくわく感も味わえます。

なお出発直前に購入して、国際配送が間に合わなそうな場合には、ヨーロッパの最初の目的地(ホテル)に配送手配することができます。

ユーレイルパスは書留で届くので、もしもホテル受け取りにした場合には、ホテルの受付係にユーレイルパスが配送される旨を伝え、あなたに代わって受け取りのサインをしてくれるよう依頼しておく必要があります。

利用後にユーレイルパスを送るとギフトがもらえる

ユーレイルパスを利用した楽しい旅が終わった後、実はもう一つ楽しみが残っています。

それはユーレイルパスを指定の場所に送ることで、ギフトがもらえるんです

ユーレイルパスからギフトをもらう方法

チケット部分をめくると、連絡先を記入する部分があるので、必要事項を記入し、チケットカバーの糊付け部分(Glue Line)を利用して、チケット全体を封します。

Glue Lineは、切手のように、水をつけると接着できます。

送付先(オランダ/Netherlands)はチケットカバーに印刷されているので、記入する必要はありません。

切手も不要です(No stamp required)。

Mami
Mami

どんなギフトが届くのか楽しみ♪

 

3〜5ヵ月かかるそうですが、届いたら、続報をお届けしますね

ユーレイルパスからギフトが届きました

ギフトが無事に届きました!

2ヵ月ほどで届き、今回のギフトはトランプでした(時期によりギフトの内容は変わります)。

Mami
Mami

ぜひ、あなたもヨーロッパ鉄道の旅を楽しんでください。

ユーレイスパスを購入する→