こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は滋賀県にある大人気の美術館・MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)をご紹介します。
ミホミュージアム3つのおすすめポイント
ミホミュージアムと言えば、桜の季節の写真スポットとして人気ですが、2019年春季は特別展にて「国宝 曜変天目」が公開されていることもあり、話題となっています。
ただ、これら季節モノ・企画モノだけでなく、
- トンネル内の光が織りなす美しさ
- シルクロードを旅するような常設展
- 桃源郷のような建築美
などは常時楽しめます。
ミホミュージアムのチケット
うねうねとした山道を進んで、山奥にあるミホミュージアムに到着。
まずは入り口右手に建つ「レセプション棟」にて、チケットを購入します。
チケットは「チケットカウンター」もしくは「販売機」で購入します。
- 大人1100円
- 大学生・高校生800円
- 中学生・小学生300円
となっていますが、提携美術館や提携カードの会員だと割引制度があります。
今回は友人がJAFの会員だったので、200円割引となりました。
レセプション棟には、その他、ミュージアムショップ(美術館棟にも2店舗あり)やレストラン(美術館棟にはカフェあり)があります。
トンネル内の光が織りなす美しさ
チケットを購入したら「レセプション棟」から「美術館棟」へ。
桜並木を通り、山中をくり抜いたトンネルを通り、橋を渡って向かいます。
そう、レセプション棟と美術館棟は異なる山頂にあり、一山越える、広大な敷地なのです!
ミホミュージアムが、特に桜の季節に人気なのは、トンネル内に桜のピンク色が反映し、ピンク色のトンネルになるからです。
ただ桜の季節でなくても、写真のように、近未来的なシルバーゴールドの色合いが楽しめます。
また、新緑の季節も美しく、緑色が反映したトンネルを楽しめますし、人混みも落ち着いているので、ゆっくり撮影や鑑賞ができます。
トンネルの先に、いよいよ美術館棟が見えてきました。
かっこいい吊り橋を渡って、
美術館棟に到着です。
正面には屏風のような美しい景色が広がっていて、樹齢180年ほどの松が出迎えてくれます。
向かいの山の稜線がしっかりと収まるように、美術館の床の高さも計算されて建てられたそうです。
シルクロードを旅するような常設展
ミホミュージアムでは茶道具関連の企画展が多い印象ですが、
実はエジプト、ギリシャ、ローマ、アッシリア、ペルシャなどの古代美術も多数展示されています。
古代オリエント文明が大好きな私にとっては「わくわく♪」が止まりません。
まるでシルクロードを旅するかのような気分に浸ることができます。
なぜ古代オリエント文明のコレクションが多いの?
スタッフの方に話を伺ってみると、
創設者である小山美秀子さんは
「美しいものに触れることで、人々に心安らかになって欲しい」
と考えていました。
そしてMIHO MUSEUMの建築設計をお願いしたI.M.ペイさんは、
「私は箱(建物)だけはつくらない。優れた中身(美術品)がなければ意味がない。
また日本の美術品だけでなく、世界の美術品も展示した方が、世界中の人々に立ち寄ってもらえるようになる。」
と。
そこで世界の美しい美術品を追い求めたところ、結果的に、古代オリエント文明のコレクションが多くなりました。
古代文明の美術品は「美の原点」と言えます。
とのことでした。
桃源郷のような建築美
MIHO MUSEUMを建築設計をしたI.M.ペイさんは、ルーヴル美術館のガラスのピラミッドやナショナルギャラリー東館などで有名な方。
桜並木、弧を描くトンネル、銀色のロープによる吊り橋、三角形の組み合わせによる美術館棟など、美術館に至るまでの「桃源郷」の建築美はもちろん美しいのですが、実は、常設の展示室も凄いんです。
観賞していると、各文明の世界へと誘われます。
例えば、エジプトの神像を眺めていると、エジプトの古代神殿を旅した時を思い出しました。
神像のバックの石の使い方や小部屋の造りに工夫がされているのだと感じました。
またガンダーラの仏立像を眺めていると、天窓から差し込む光とバックの赤色が、穏やかだけれども力強いエネルギーを醸し出していました。
またギリシャ・ローマの空間では、ポンペイ遺跡を旅した時を思い出しました。
その他、スタッフの方から伺ったのですが、展示品に合わせて、何度か展示室を改修してきたそうで、例えば床にも工夫がされており、石材の部屋もあれば、絨毯の部屋もあるとのこと。
お話を伺ってから、私はもう一周巡りました。
特別展「国宝 曜変天目」
今回は話題の企画展「国宝 曜変天目」も楽しみの一つ。
土日は1時間以上の待ち時間がかかるそうですが、平日だったこともあり、3分ほどの待ち時間ですんなりと観賞することができました。
夜空の星のような光彩を放つ「曜変天目」。
中国の宋時代に福建省の建窯で制作された茶碗ですが、そのすべてが今では日本にのみ伝世し、3碗は国宝に指定されています。
新聞などに掲載されていた写真を見比べると、
- 京都・大徳寺龍光院蔵のは「宇宙を眺めているよう」
- 藤田美術館蔵のは「天の川を眺めているよう」
- 静嘉堂文庫美術館蔵のは「海の中を潜っていくよう」
と印象を受けたのですが、
実際に大徳寺龍光院蔵の曜変天目を観賞すると、その星雲のような光彩が本当に美しかったです。
また個人的には、加賀・前田家に伝来した「重要文化財 耀変天目」も感動しました。
「曜」変ではなく、「耀」変と記されていましたが、こちらは見る角度によって虹色に輝く様が不思議でした。
ミホミュージアムでのランチ・カフェ
レセプション棟にはレストランがありますが、今回は美術館棟にあるカフェにてランチをしました。
自然農法で育てられた食材を使っているとのこと。
キノコやレンコンなどが挟まったサンドウィッチは、初体験の味。
食器類はすべて美術館オリジナルデザインとなっており、ミュージアムショップで販売もされていました。
ミホミュージアムへの交通アクセス
バスの場合、1時間に1本と数は限られていますが、
- JR「石山駅」より帝産バス「MIHO MUSEUM 行き」約50分
- 信楽高原鉄道「信楽駅」より信楽高原バス「田代・畑・陶芸の森ルート」約20分
の2路線があります。
ただ、JR「石山駅」「瀬田駅」「草津駅」からグループで向かう場合は、バスではなく、タクシーで直接向かった方が、約35分ほどで到着するのでおすすめです。
車で向かう場合は、無料駐車場(150台分)が完備されています。
どの交通手段で向かうにしろ、山奥にある美術館のため、うねうねとカーブのある山道を進みます。
車酔いしやすい方は、酔い止めを事前に服用しておくことをおすすめします。
ちなみに美術館の近くには「三筋の滝」という癒しスポットもあります。
夏場なら涼やかで気持ちいいと思います。
山奥にあるので、交通アクセスはあまりよくありませんが、時間をかけてでも行く価値のある、美しい美術館です。