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佐川美術館の茶室は非日常空間!楽茶碗や平山郁夫さんのシルクロード絵画も鑑賞できる!

Mami
Mami

こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。

 

今回、佐川美術館の樂吉左衞門館の茶室にて催される「青蘆茶会」に参加して来ました。

 

そこで、この記事では佐川美術館の茶室や茶会の様子と、合わせて常設展示されている平山郁夫さんの絵画を紹介します。

 

茶室は楽茶碗と、平山郁夫さんは世界遺産と縁が深いです。

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佐川美術館とは

蝦夷鹿が出迎えてくれます。

滋賀県にある佐川美術館は、あの佐川急便株式会社の創業40周年記念事業の一環として開館しました。

第一印象は「水に浮かんだ美しい美術館」。

 

美術館の周囲は水が湛えられた水庭になっていて、お天気が良かったこともあり、水の煌きが美術館の壁や軒先に反射して美しかったです。

佐川美術館では

  • 日本画家の平山郁夫さん
  • 彫刻家の佐藤忠良さん
  • 陶芸家の樂吉左衞門さん

の作品を常設展示しています。

佐川美術館の茶室と青蘆茶会とは

佐川美術館には樂吉左衞門館があり、その一角に茶室があります。

樂吉左衞門さんは「黒楽」「赤楽」で有名な楽茶碗の十五代を継がれている方です(当代)。

茶室も樂吉左衞門さんが設計されたのですが、その茶室にて年に1〜2回だけ行われている茶会が「青蘆茶会」です。

写真撮影は禁止でしたが、案内〜点前〜半東まで学芸員さんが担当され、茶道が初めての方でも参加しやすい和やかな雰囲気の茶会でした。

1)どうしたら茶会に参加できるの?

茶会は事前予約制で、毎回人気のため抽選になります。

実は私も当初は落選したのですが、後日繰り上げ当選の連絡をもらい、参加することができました。

2)茶室の雰囲気は?

集合時間になったらエントランスに集まり、参加者全員で茶室へ移動します。

荷物は事前にロッカーに預けておく必要があります。

今回の参加者は8名でした。

水庭の水中に誘われるように階段を降りていき、

  • 寄付(待合)
  • 水路地
  • 盤陀庵(小間)
  • 俯仰軒(広間)

と案内され、俯仰軒にて抹茶をいただきます。

伝統的な茶室とは異なり、樂吉左衞門さんの趣向が随所にみられる非日常的な茶室です。

特に印象的だったのが俯仰軒です。

広間の畳の高さは、水庭の水面とほぼ同じ高さのため、まるで茶室と座している自分が水庭に漂っているかのような感覚に陥ります

この茶室には「人は自然と同じレベル、目線で生きていかなければならない」という思いが込められています。

本当はもっと水面ギリギリまで低く造りたかった樂さんに対し、工務店さんは建築上もっと高く造りたかったとのことで、攻防戦の末、間の高さをとったそうです。

ちょうど西日が射す時間帯だったこともあり、吊り障子を開けると水の煌きが茶室に広がり、とても幻想的でした

また盤陀庵は水庭に没する位置で造られていたり、樂さんはバリ島がお好きとのことで、バリの古材やアフリカの石がふんだんに使われていました。

3)展示品の楽茶碗で抹茶をいただく

茶会で使われる茶碗は、すべて十五代の楽茶碗です。

美術館に展示されていたものや、今後展示予定という一級品ばかりで抹茶をいただく体験ができます。

また楽茶碗というと抹茶碗のイメージが強いですが、蓋置、建水、水指、花器、軸先もすべて楽焼なんです。

これら茶道具を拝見できるのは、この佐川美術館か樂美術館(京都)のみとのこと。

ちなみに今回の抹茶碗は

  1. 焼貫黒樂茶碗
  2. 黒樂茶碗
  3. 赤樂茶碗
  4. 黒樂井戸形茶碗:萩焼に刺激を受けて、ロクロを使用
  5. LOUBIGNAC:フランス産のものを使い、フランスで製作

4と5は厳密には楽焼とは言えませんが、十五代の作品として用意されていました。

4)各茶碗と十五代のストーリー

お点前の後は、半東さん(学芸員さん)が各茶碗がつくられた背景を、樂さんのストーリーとともに話してくださり、とても有意義な時間を過ごせました。

その一部を紹介すると

  • 十五代は高台に強いこだわりがあるので、形が崩れないよう、印は高台脇ではなく高台内に、また小さめの印を使っている。
  • 十五代の作品名は漢詩からとることが多いが、それは漢字が持つ力強さが作風と呼応するように感じるから。
  • 土は寝かしておく方がいいとされ、だいたい三代前の土を使っている。つまり当代も後世のために土を確保しておく必要がある。
  • 黒楽よりも突き抜けた高温で焼いたものが焼貫(やきぬき)。十五代のオリジナル技法なので、印がなくても作者が分かる。よって高台の形を崩さないためにも、あえて印は入れていない。
  • 黒楽は液体の釉薬を流しているのではなく、30回近く筆で釉薬を重ね描いている。

5)茶道初心者でも大丈夫?

はい、大丈夫でした。

案内から手前まで、茶道をたしなむ学芸員さんが分かりやすく誘導してくださいます。

また茶会の案内にも

「初めてのお客様にも安心してご参加いただけます」
「懐紙、扇子など、ご参加のお客様にご用意いただくものはございません」

と記載されています。

青蘆茶会は初めてで様子が分からなかったのと、せっかくの茶会ということで、私と友人は着物を着て、念のため懐紙や扇子も持参しましたが、実際に参加して見ると、着物を着ていたのは私たちを含めて3名のみでした。

肩肘をはらず、非日常的な美しい茶室で、一級品の楽茶碗にて、美味しい抹茶を楽しくいただけます。

 

帰りは会記もいただけます。

茶室見学と茶会について

佐川美術館では茶室に関するイベントを3種類行っています。

すべて事前予約制です。

1)茶室見学

茶室見学だけなら、比較的頻繁に実施されています。

樂吉左衞門館茶室写真集もプレゼントされます。

  • 事前予約制
  • 日にち:木・金・土・日
  • 時間:10時、11時、13時、14時、15時
  • 人数:各回10名まで
  • 所要時間:約30分
  • 料金:2,000円(入館料1,000円+見学料1,000円)

2)呈茶 立礼席

茶室見学の後、半地下の樂吉左衞門館ロビーにてお茶をいただけます。

イスに座る立礼なので、正座が苦手な方でも参加しやすいです。

  • 事前予約制
  • 日時:年1回(2019年は3月3日の予定)
  • 人数:各回10名まで
  • 所要時間:約1時間20分
  • 料金:4,000円(入館料1,000円+参加料3,000円)

3)青蘆茶会

茶室見学の後、その茶室で十五代の楽茶碗や珍しい茶道具に触れながら抹茶をいただけます。

  • 事前予約制
  • 日時:年1〜2回(2019年は未定)
  • 人数:各回10名まで
  • 所要時間:約1時間15分
  • 料金:6,000円(入館料1,000円+参加料5,000円)

4)番外編

青蘆茶会の他に、蘆聚茶会もあります。

蘆聚茶会は十五代樂吉左衞門さんが2009年に立ち上げた茶会で、薄茶、濃茶、そのほかに香煎席、点心席が設けられるそうです。

蘆聚茶会は樂吉左衞門さんも参加されるので、より抽選倍率は高くなるそうです。

詳細は佐川美術館の公式サイトをご確認ください。

平山郁夫さんのシルクロード絵画の数々

茶室や楽茶碗の他に、世界遺産巡り好きとして楽しみにしていたのが平山郁夫さんの絵画です。

日本絵画に詳しくない私ですが、世界遺産好きとして、平山郁夫さんの「楼蘭遺跡三題」や「月下シルクロードを行く」は一度近くで見てみたいなと思っていました。

時期によって展示テーマは異なりますが、今回は「描かれた世界遺産」がテーマとなっており、各国の世界遺産やシルクロードにまつわる絵画を多数鑑賞することができました。

ちょうど旅してきたサマルカンドのレギスタン広場の絵もあり、スマホに保存していた写真と見比べながら鑑賞を楽しむことができました。

佐川美術館でランチはできる?

比叡とろゆばを使った蕎麦

館内にはカフェもあります。

ドリンクやケーキの他に、蕎麦とサンドウィッチという軽食も用意されていたので、水庭を眺めながらランチもできます。

佐川美術館までの行き方

JR湖西線「堅田駅」からは、バスで約15分。

JR琵琶湖線「守山駅」からは、バスで約35分。

共に「佐川美術館」で下車です。

バスの本数は限られているので、事前に調べておくと安心です。

 

水庭に浮かぶ佐川美術館、おすすめです。