こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は京都府〜滋賀県にまたがる世界遺産「比叡山延暦寺」東塔エリアの見どころをご紹介します。
世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産の1つである比叡山延暦寺。
延暦寺は最澄により開かれた日本天台宗の総本山で、比叡山をまたぐように
- 東塔(とうどう)
- 西塔(さいとう)
- 横川(よかわ)
の3つのエリアがあるので、今回は東塔エリアの見どころをご紹介します。
世界遺産「比叡山延暦寺」東塔エリアの見どころ
根本中堂(国宝)
比叡山延暦寺の総本堂である根本中堂(国宝)。
現在の建物は、徳川家光によって再建されたものです。
最澄が自ら刻んだといわれている薬師如来が本尊として祀られており、その前には最澄が延暦寺を開いてから1200年ものあいだ灯り続けている「不滅の法灯」が輝いています(撮影禁止)。
この須弥壇(本尊などの仏像を安置する台座)のある内陣が、参拝者がお参りする中陣・外陣より低い位置にあるので、仏像や法灯が参拝者である私たちの目の高さに合います。
一般的に仏様は見上げるものですが、ここで目の高さが合うようにしてあるのは、「仏も人もひとつ」という仏教の「仏凡一如」の考えを表しているとのこと。
なお2016年より、根本中堂は約60年ぶりの大改修が行われております(10年間の予定)。
そして参拝後は誰でも自由に、根本中堂の屋根の高さに特別に設置された「修学ステージ」から文化財の修復現場を間近で見ることができます(撮影OK)。
とても貴重な機会なので、ぜひじっくり見学してください。
私は根本中堂を見るのは初めてだったので、元の姿を想像しにくかったのですが、7ヶ所にARポイントが設置されていたのも良かったです。
おかげで、極彩色豊かな根本中堂外観や色鮮やかに蘇った蟇股など、本来の根本中堂の姿を体感できました。
ぜひアプリをダウンロードしてみてくださいね(同じアプリでVRも体感できます)。
大黒堂
「大黒堂」は、最澄が初めて比叡山に登った際、大黒天を感見したところと伝えられています。
現在のお堂は織田信長の焼き討ち以降に再建されたもので、正面が食生活を守る「大黒天」、左右には勇気と力を与える「毘沙門天」と、美と才能を与える「弁財天」、と3つの顔を持つ三面出世大黒天が祀られています。
豊富秀吉もこの三面大黒天に出世を祈願し、太閤にまで昇りつめたと伝えられています。
大講堂(重要文化財)
「大講堂」(重要文化財)は学問修行の場で、今も経典の論義(仏教において問答によって経論の要義を究明する方式)や法会が行われています。
現在の建造物は昭和36年に山麓の讃仏堂を移築・再建したもので、正面のご本尊は大日如来、脇士は弥勒菩薩と十一面観音菩薩です。
その他、桓武天皇や聖徳太子、高祖天台大師、宗祖伝教大師(最澄)をはじめ、比叡山で修学し、一宗一派を開いた祖師像が各宗より奉納され安置されています。
大講堂前には「開運の鐘」と呼ばれる梵鐘があり、願いを込めてつくと良いそう(誰でも鐘をつくことができます)。
文殊楼(重要文化財)
根本中堂の前にある石段を上がったところにある「文殊楼」(重要文化財)は、比叡山の総門の役目を果たしています。
楼上には知恵の文殊菩薩が祀られており、受験合格や学業成就のご利益があるといわれています。
文殊楼の近くには国連平和の鐘もあります。
阿弥陀堂・法華総寺院東塔
根本中堂から少し離れたところにある石段を上がると、
阿弥陀堂と東塔があります。
「阿弥陀堂」には阿弥陀如来がご本尊として祀られており、天井まわりの部材には平安後期ないし鎌倉中期の様式である極彩色が施されており、とても美しいです。
「東塔」は最澄が国宝的人材づくりの旗印として、全国6ヶ所に建てた宝塔の1つで、復興再建されました。
東塔の中もとても煌びやかで、仏舎利と法華経が安置されている様子の写真を覗くことができます。
東塔からは近江富士「三上山」がよく見えます。
世界遺産「比叡山延暦寺」東塔の参拝料
東塔を参拝する際には、延暦寺諸堂巡拝券(大人1,000円/中高生600円/小学生300円)が必要です。
1日券となっており、この券で東塔・西塔・横川の3エリアを巡ることができます。
世界遺産「比叡山延暦寺」東塔エリアで食事はできる?
食事
東塔エリアで食事が可能なのは次の3ヶ所です。
- 鶴喜そば(延暦寺バスセンター、一隅を照らす会館の2ヶ所)
- 延暦寺会館(精進料理/3日前までに要予約)
時間があるなら、東塔から車で約10分のところにある峰道レストランもおすすめです。
琵琶湖が一望できて、とても気持ちが良いです。
喫茶・カフェ
東塔エリアで喫茶が可能なのは次の3ヶ所です。
-
- 喫茶れいほう(延暦寺会館内)
- 比叡茶寮(延暦寺バスセンター)
- 一隅会館前売店
喫茶れいほうでは、生まれ年にそった梵字ラテがいただけます。
また上述の峰道レストランでも、アイスクリームや甘味が楽しめます。
世界遺産「比叡山延暦寺」東塔エリアの駐車場と料金
東塔エリアの駐車場は、バス停「延暦寺バスセンター」やバス停「東塔」のすぐ近くにあり、無料で利用できます。
ただし延暦寺へ至るまでに通る比叡山ドライブウェイや奥比叡ドライブウェイは有料で、片道1,000〜2,000円前後の通行料金がかかります。
世界遺産「比叡山延暦寺」東塔から西塔まで歩ける?
東塔から西塔までは歩くと、約40分かかります。
山道ということもあり、車やシャトルバスの利用がおすすめで、所要時間は約4分です。
なお
- 根本中堂に近いのはバス停「延暦寺バスセンター」
- 阿弥陀等や東塔に近いのはバス停「東塔」
です。
ICOCAなど全国交通系ICカードが利用できますし、比叡山内をぐるり観光されるなら、「比叡山内バス1日乗車券」(大人1,000円 / 子供500円)がお得です。
1日乗車券は
- シャトルバス車内(江若バスのみ)
- 延暦寺バスセンター売店
- ホテル「ロテルド比叡」
などで購入できます。
以上、世界遺産「比叡山延暦寺」東塔エリアの見どころをご紹介しました。
時間がない方は、3エリアのうち、まずは延暦寺の中心である東塔エリアから参拝されるのがおすすめです。