こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
ヨーロッパを旅するにあたり、「ユーレイルパス」を検討される方は多いはず。
そこで、この記事では2週間のポルトガル鉄道旅の体験を元に、ユーレイルパスは本当にお得なのか、検証結果をお届けします。
ユーレイルパスは本当にお得なの?
ユーレイルパスとは、ヨーロッパの各都市を周遊できる鉄道チケットです。
▶︎ユーレイルパスの買い方や使い方などの詳細はこちら(紙版)
▶︎ユーレイル・モバイルパスの買い方や使い方などの詳細はこちら(アプリ版)
最大、ヨーロッパ33ヶ国、4万以上の都市をカバー。
日本のJRのような、各国の「国鉄」に乗り放題となるので、自由にヨーロッパ鉄道旅を楽しみたい方には最適です。
ただ、決して安いパスではないので、
「本当にユーレイルパスはお得なのかな?」
「その都度、乗車券を買った方が損しないのでは?」
と悩まれる方も多いはず。
そこで、私の実際のポルトガル鉄道旅を例に、検証してみたいと思います。
先に結論をお伝えすると「金額的には元が取れなかったけれど、ストレスなく、自由に旅ができて良かった」と思っています。
実証!2週間のポルトガル鉄道旅はいくらかかった?
今回は2週間かけて、ポルトからリスボンまで南下する鉄道の旅を楽しむことに。
そこでユーレイルパスには様々な種類がありますが、「ユーレイル ポルトガル パス・1ヵ月間のうち5日間(2等車)利用可能なフレキシパス」を選択。
購入金額は134ユーロでした。
そしてポルトガル鉄道にて
の8都市を旅しました。
急ぎの旅ではなかったので、追加料金がかかる特急列車は利用しませんでした。
では同じ区間・条件で、個別に乗車券を購入した場合の電車代を計算してみます。
日数 | 区間 | 電車代 |
---|---|---|
1 | ポルト〜ギマランイス | €3.25 |
ブラガ〜ポルト | €3.25 | |
2 | ポルト〜アヴェイロ | €3.55 |
アヴェイロ〜コインブラ | €5.35 | |
3 | コインブラ〜オビドス | €14.25 |
4 | オビドス〜リスボン | €9.05 |
5 | リスボン〜シントラ | €2.25 |
合計 €40.95 |
計算の結果、個別に乗車券を購入した場合の電車代は40.95ユーロで済みました。
計算してみて、自分でもびっくり!
今回の旅の場合、金額だけで考えると、かなり損していました。
でも、この事実を把握しても、「ユーレイルパスをまた利用したいな」と思っています。
なぜなら気楽さと自由度が圧倒的だからです。
では次に、ユーレイルパスのメリット・デメリットをお伝えしていきます。
ユーレイルパスのメリット
1)乗車券を購入しなくていい
ユーレイルパス最大のメリットは、乗車券をいちいち購入しなくていいことです!
券売機の使い方、購入区間のルールなど、都市によって大きく異なるので、特に初めて訪れる国や都市では、事前にリサーチしたり人に聞いたりと、乗車券を購入するだけで、かなりのストレスと時間がかかります。
また駅によっては、窓口や券売機に長蛇の列ができているので、乗車券を購入するためだけに時間を無駄にしてしまいます。
その点、ユーレイルパスを持っていれば、いちいち切符の購入方法を調べる必要がありませんし、長蛇の列に並ぶ必要もありません。
ストレスフリーですし、時間ギリギリまで観光に当てることができます。
2)圧倒的な自由度
圧倒的な自由度も、ユーレイルパスの大きなメリットです。
乗り放題パスなので、ユーレイルパス対象の鉄道会社の路線であれば、「どこまで乗ろうが」「何回乗ろうが」「途中下車しようが」自由です。
追加の電車代を気にする必要もありません。
3)旅程の変更がしやすい
乗り放題パスなので「気の赴くままにルートを変更」するのも自由です。
旅程をきっちり決めずに思いのままに旅する方や、他の予定次第で行き先変更の可能性がある方にとって、このメリットは大きいです。
また列車が遅れたり、乗り継ぎが上手くできなかった場合も、切符の変更や買い戻しなどが不要なのでラクです。
4)割引特典がある
ユーレイルパスを持っていると
- フェリーが最大50%割引
- 市内交通カードが最大50%割引
- 美術館や博物館の入館料が最大50%割引
- 各種ツアー料金が最大50%割引
- ホテルが最大20%割引
- カフェで最大10%割引
など各種特典が受けられます。
例えばポルトガルの場合、ポルト観光に便利な市内交通カード「ポルトカード」が最大25%割引となります。
5)利用後もギフトをもらえる楽しみがある
ユーレイルパスを利用した楽しい旅が終わった後、実はもう一つ楽しみが残っています。
それはユーレイルパスを指定の場所に送ることで、ギフトがもらえるんです。
送付先の住所(オランダ)はチケットカバーに印刷されているので、記入する必要はありませんし、切手も不要です。
ギフト到着までに3〜5ヵ月かかりますが、忘れた頃にプレゼントが届くなんてワクワクしますよね。
ユーレイルパスのデメリット
1)金銭面で元を取りにくい
ユーレイルパスの唯一のデメリットは、金銭面で元を取りにくいことです。
例えば今回の場合、電車で1時間くらいの距離の都市間での利用が多かったので、元が取れませんでした。
3時間くらいかかる長距離移動を頻繁に繰り返さないと、元は取れなそうです。
2)鉄道会社の早割の方がお得な場合も
鉄道会社によっては「早割」があるので、綿密に計画を立てる方なら、早割で乗車券をオンライン購入した方が断然お得になるケースもあります。
例えばポルトガル鉄道の場合、最大65%割引となります。
割引といえば、子供割引やユース割引、シニア割引もあります。
ただ対象年齢が国や鉄道会社によって様々なので、年齢による割引の利用を考えている方は、年齢確認を忘れずにしてください。
例えばユーレイルパスとポルトガル鉄道を比較してみると、下のようになります。
ユーレイルパス | ポルトガル鉄道 | |
---|---|---|
子供割引 | 0〜11歳 | 0〜12歳 |
ユース割引 | 12〜27歳 | 13〜25歳 |
シニア割引 | 60歳以上 | 65歳以上 |
3)購入時点で期間を決めないといけない
ユーレイルパスは様々な種類がありますが、どれも有効期間が設定されているので、購入時点で旅の期間を決めないといけません。
なので長期でヨーロッパ放浪旅をする方には向いていません。
4)ヨーロッパ全土で使えるわけではない
2019年現在、ユーレイルパスを利用できる国は31カ国なので、ヨーロッパ全土で使えるわけではありません。
もしユーレイルパスが有効ではない国を通過する際は、その区間の乗車代を別途支払う必要があります。
5)鉄道しか利用できない
正確には、フェリーが利用できる区間も一部ありますが、基本的には「鉄道パス」なので、鉄道しか利用できません。
なのでフェリーやバスを主要な交通手段に、と考えている方には向いていません。
ユーレイルパスをお得に使えるのはどんな人?
元を取りにくいけれども、
- 駅での切符購入が面倒な方
- のんびり鉄道の旅をしたい方
- 気の赴くままに旅をしたい方
- ヨーロッパ各国の鉄道に乗り慣れていない方
- オンラインでのチケット予約が面倒な方
- 長距離移動を予定されている方
には試してみる価値があると思います。