こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は滋賀県・草津にある藤の花の名所「三大神社」をご紹介します。
シャワーのように降り注ぐ「砂擦りの藤」に加え、当日は運よく無形民俗文化財「草津のサンヤレ踊り」も見ることができました。
滋賀県・草津市にある三大神社
滋賀県草津市には「砂擦りの藤」と呼ばれる藤の大樹で有名な「三大神社」があります。
条里集落の遺構地、吉田の中心にあり、祭神は志那津彦命、志那津姫命です。
条里制に関係の深い天智天皇の勅を受けて、飛鳥時代(665年)、風神二柱を祀った式内伊布伎神社が三大神社のはじまり。
ちなみに条里制とは日本古代の土地区画制度のことで、条理集落とは条里制と密接に関連して生まれた日本古代の計画集落のことです。
三大神社は藤の大樹で有名な他、本殿玉垣のなかに建つ六角柱の「石燈籠」は、鎌倉時代の石造美術を代表するものとして国の重要文化財に指定されています。
三大神社の「砂擦りの藤」は見応えたっぷり
シャワーのように降り注ぐ見事な藤の花々。
可憐な紫色が美しいだけでなく、近づくと上品な香りがふわっと漂ってきます。
南北が14.9m、東西が10.0m、149㎡(45坪)を占める藤棚が設けられており、鳥居近くの藤は一般的な長さですが、
本殿に近づくにつれ花の房はどんどん長くなり、中には185cmにもおよぶなど、穂が地面に擦るほど長くなることから、「砂擦りの藤」と呼ばれています。
なお藤の開花中(4月下旬〜5月上旬)は、協力金として200円が必要です。
県指定自然記念物、市指定天然記念物の三大神社の藤は、樹齢400年を越える老藤で、品種は「ノダフジ」、つるは右巻きが特徴です。
老藤とはいえ、その咲き誇りっぷりは見事。
クマバチもたくさん吸い寄せられていました。
大満足の美しさ。
無形民俗文化財および日本遺産に認定されている三大神社の「吉田サンヤレ踊り」
5月3日は三大神社の例祭の日。
(5月3日は滋賀県草津市の多くの神社の例祭の日でもあります。)
当日は運よく「草津サンヤレ踊り(風神踊り)」を見ることができました。
滋賀県草津市の「草津サンヤレ踊り」は、無形民俗文化財および日本遺産に認定されている風流芸能です。
花の咲く時期に病気が流行るのを疫病神のしわざと考えていた昔の人々は、悪疫を御輿や榊などの依り代につけて村外れまで送り出し、災いから逃れるとともに、五穀豊穣を願ったのがはじまりとのこと。
踊りは、太鼓打ち、太鼓受け、音頭取り、鉦摺、笛吹きなどから成ります。
太鼓打ちは力強い踊りを舞う一方、音頭取りはうちわを片手にふわっと優美に踊り、「サンヤレ、サンヤレ」という独特の囃子詞がかけられていました。
風神と縁のある神社・踊りなので、うちわが何かしらの「風」を表しているのかな。
拝殿の前、そして神様が降りられる三角錐の「立砂」の前、最後に老藤の前にて踊りを奉納。
その後は神主さんを先頭に御輿の一部を担いで、御旅所に立ち寄りつつ、町内を回って行かれました。
草津のサンヤレ踊り
時節柄、今年は規模が縮小されていましたが、本来は各町で様々な衣装を着た人々が小歌に合わせて群舞するようです。
- 下笠のサンヤレ踊り=老杉神社(下笠町)
- 片岡のサンヤレ踊り=印岐志呂神社(片岡町)
- 長束のサンヤレ踊り=印岐志呂神社(片岡町)
- 志那のサンヤレ踊り=志那神社(志那町)
- 吉田のサンヤレ踊り=三大神社(志那町)
- 志那中のサンヤレ踊り=惣社神社(志那中町)
- 矢倉のサンヤレ踊り=立木神社(草津4丁目)
三大神社とあわせて訪れたい「志那三郷の藤」
三大神社の近くには、同じく藤の花が綺麗な神社があり、
- 三大神社(砂擦りの藤)
- 志那神社(藤棚と竹林の共演、八重の藤)
- 惣社神社(樹齢500年越えの藤棚)
の藤をあわせて「志那三郷の藤」と称されています。
それぞれ三大神社から徒歩10分の距離にあるので、時間があれば、立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。
三大神社へのアクセス
JR琵琶湖線「草津駅」西口よりバスが出ています。
- 下物経由 烏丸半島行き「北大萱」下車 → 徒歩10分ほど
- 烏丸半島行き「吉田口」下車→ 徒歩10分ほど
バスの本数は限られており、1時間に1〜2本しか走っていませんので、行き・帰りともに時刻表をチェックされることをおすすめします。
駐車場はありません。
志那神社からは歩いて10分ほど、惣社神社からも歩いて10分ほどです。