こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は京都・高台寺の夜咄茶会の体験レポをお届けします。
和ろうそくの灯が煌めく中の夜のお茶会は幻想的で、こんな贅沢な時間があるのかと感動しました!
夜咄の茶事とは
夜咄(よばなし)の茶事とは「冬の夜のお茶会」のこと。
冬至から立春までの間(12月、1月、 2月頃)の寒さ厳しい季節に、夕暮れ時から行われ、灯火の下に炉を囲みます。
甘酒、前茶(ぜんちゃ)から始まり、懐石料理、そして濃茶と薄茶でお客様をおもてなしする茶事は、4時間にも及びます。
高台寺の夜咄茶会とは
今回、私が参加した高台寺の夜咄茶会は、そんな夜咄の茶事をコンパクトにしたもので、
- 薄茶席
- 高台寺の拝観
- 点心(軽いお食事)
- 喫茶
と気軽に夜咄の雰囲気を楽しめる、約3時間のお茶会でした。
- 開催期間は1月中旬〜3月初旬の金・土・日(要予約)
- 受付は17時〜18時
- 所要時間は約3時間
- 料金6,000円(2020年は7,000円)
高台寺の夜咄茶会へ行ってきました
受付
せっかくなので着物を着て、久しぶりの高台寺へ。
八坂の塔が見えると「京都だな〜」と感じます。
豊臣秀吉とねねの寺「高台寺」の拝観入口に到着。
「お茶会受付」の案内も出ているので、迷うことはありません。
事前予約の上、当日の受付は先着順で、受付が済んだ順にお席に案内されます。
私たちはギリギリ一番目に席入りできる組だったのですが、私たちの後の方は、一席終わるまで待たれるのか、先に高台寺拝観の案内がなされるのかは不明です。
一席あたり20人くらいで区切られているようです。
持ち物
席入りするにあたり、大きな荷物は持って入れませんが、「受付でお渡しした会記とカメラはお持ちいただいて結構です」と案内がなされました。
「え?お茶会中、写真撮影していいんですか?」と確認すると、「フラッシュさえ消しておいてもらえれば、いいですよ。」とのこと。
そこで私を含め、多くの方がスマホを携帯して席入りしました。
なお公式サイトで「初めての方でも、お気軽に参加していただけます」とあるように、懐紙や黒文字も用意されていました。
薄茶席
お茶室に案内されると、和ろうそくが煌めき、光と陰が幻想的な雰囲気を醸し出していました。
その陰影の美しさに、うっとりします。
最初はご住職のお話があり、お点前が始まります。
正直、薄暗いので、お点前自体は見にくいですが、半東さんが分かりやすく説明をしてくださいます。
本日のお菓子は松寿軒の春和。
和ろうそくの薄明かりの下でも、鶯を模した繊細なデザインと、その美しいグラデーションが分かります。
また懐紙には高台寺の寺紋である「五七桐」が施されています。
本日のお茶は辻利の「建久の白」。
茶碗も全員異なるものが用意されており、お隣同士で、色々な茶碗を楽しませてもらえます。
二服目は辻利の「寿松の白」。
二服目の茶碗はみな、杉と五七桐の柄で統一されていました。
高台寺で作られたそうです。
その後は、電気がついて、拝見へ。
季節柄、梅柄ものが多く用意されており、
豪華な螺鈿が施された棗
蒔絵が施された茶杓
ぼってりした手焙
など個人的には珍しいものばかりで、とても勉強になりました。
ちなみに手焙は「てあぶり」と読むので、どれほど熱いのだろうかと思っていたのですが、実際に触らせていただくと、じんわり温かく気持ちよかったです。
石菖はろうそくの煙の浄化作用を持つということで、夜咄の茶事では飾られるそう。
この上なく贅沢な時間でした。
高台寺の拝観
薄茶席の後は、係の方が高台寺の中を案内してくれます。
豊富秀吉像やねね像が安置されている「霊屋(おたまや)」や、伏見から移築された茶室(時雨亭と傘亭)をはじめ、ライトアップされた境内も綺麗で、途中、竹林散策もできます。
点心
拝観の後は、高台寺の目の前にある「羽柴」にて軽食をいただきます。
食事中は、お店の方が精進料理についての解説を交えながら、当日のお料理の紹介をしてくれます。
驚いたのは、このコンニャク。
お茶席のお菓子と言えば「甘いもの」が定番ですが、昔は「塩辛く炊いたコンニャク」が菓子だったそうです。
この汁ものは、寒い冬に修行を終えたお坊さんが、夜中の2時に食するものとのこと。
「べっちゃり飯」と表現されるご飯が少量入っている優しい味で、とても美味しかったです。
喫茶
お食事後は、希望者のみ、でコーヒーもしくは紅茶をいただけます。
写真を撮り忘れてしまいましたが、石塀小路にある純喫茶のお店です。
相席になった方々とお話していると、海外や北海道など、遠方からの参加者の方も多かったです。
来年も参加したいぐらい素敵な3時間でした。
高台寺の茶会スタンプラリー
年間を通じて、高台寺では8種類の茶会が開催されています。
茶会 | 開催時期 |
---|---|
夜咄茶会 | 1月中旬〜3月初旬の金・土・日 |
新緑茶会 | 5月中旬 |
遺芳庵朝茶席 | 6月1日〜7日の毎日1席のみ |
七夕茶会 | 7月上旬 |
夕涼み浴衣の茶会 | 8月上旬〜中旬の金・土・日 |
秋の夜の観月茶会 | 9月上旬〜中旬の金・土・日 |
北政所茶会 | 10月6日 |
鬼瓦濃茶席 | 12月上旬 |
そしてスタンプを全部集めると、好きな茶会に参加できます(ただし北政所茶会は除く)。
お茶会がお好きな方は、ぜひスタンプを全部集めてみてはいかがでしょうか。
高台寺は祇園のすぐ近くなので、ついでに京都観光もしやすいです。