こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
今回は京都・嵐山にある幻想的なリフレクション風景を楽しめる「嵐山 祐斎亭」をご紹介します。
感嘆のため息が何度漏れたことか。
- この記事は、Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラムの一環で取材・執筆した記事(美しく幻想的なリフレクション!1200年前の風景と染色アートを愛でる|祐斎亭)を再構成してお届けします。
- 1年ぶりに再訪し、ライトアップされた夜バージョンも追記しました(2022.11.12)
- 祐斎亭などを作庭した庭師さんが手がけるカフェ情報を追記しました(2023.11.5)
京都・嵐山の「祐斎亭」は幻想的なリフレクション撮影スポットとしてじわじわ人気が急上昇中
渡月橋から川沿いを歩いて約10分。
嵐山公園亀山地区に染色アートギャラリー「嵐山 祐斎亭(ゆうさいてい)」があります。
平安時代より貴族が別荘地として四季の移り変わりを楽しんできた1200年前の風景と染色アートを楽しめる場所なのですが、幻想的なリフレクション撮影ができると、写真好きを中心に、じわじわと人気が高まっているスポットです。
春夏秋冬と一年を通して幻想的な光景が楽しめますが、今回は紅葉が見頃を迎えるタイミングを狙って訪れてみました。
祐斎亭の見どころ
祐斎亭の見どころは7カ所。
- 川端康成の部屋
- 茶室
- 丸窓の部屋
- 染色アートギャラリー
- 絶景テラス
- 夢の水鏡
- アート化粧室&アート廊下
ちなみに、リフレクションを楽しめるのは1・3・6の3カ所です。
1)川端康成の部屋
受付を済ませ、すぐ左手にあるのが、「川端康成の部屋」です。
その名の通り、ノーベル文学賞作家である川端康成が『山の音』を執筆したという部屋なのですが、紅葉と大堰川(桂川)を一望できます。
そして部屋に置かれているトチノキのテーブルにはガラスの水鏡があり、この光景が目に飛び込んできたときには、思わず感嘆のため息を漏らしました。
2)茶室
続いて「茶室」へ。
美しい風景や窓際の腰掛けもさることながら、障子のまばらな抜け感も面白いです。
なお、通常シーズンの見学なら、お抹茶・お菓子の無料サービスが付いてきます(紅葉シーズンは別途1,000円で注文することができます)。
3)丸窓の部屋
続いて、茶室の横にある「丸窓の部屋」へ。
丸窓が連結しているのもユニークですが、この部屋でも机を利用してリフレクションを楽しむことができ、再び感嘆のため息が出ました。
刻一刻と山の輝きも変わり、ずっと見ていられる美しさ。
耳を澄ませば、枝から枝へと飛び移る鳥の音や、保津川下りの船を漕ぐ音が聞こえてきます。
4)染色アートギャラリー
さらに奥へと進むと「染色アートギャラリー」があり、奥田祐斎さんの作品を間近で見ることができます。
独自の染色技法である「夢こうろ染(ゆめこうろぞめ)」の凄いところは、光によって染め色が変化する点なのですが、実際に作品に光を当てて染め色が変わる様子も見られます。
工房の方では見慣れない道具が色々あったのですが、職人さんが気さくに教えてくださいました。
また「祐斎亭は築150年を誇る明治期の建物でね、かつては『千鳥』という料理旅館で、京都の舞妓や芸妓たちにとって憧れの場所だったんだよ」と、当時の大スターたちがどのように豪遊していたのかも教えていただけました。
この場所は渡月橋から絶対に見えない奥まったところにあるので、隠れて遊ぶのにピッタリということで、この周辺に桜を植えて、目の前の川に船を浮かべ、自分たちだけのプライベート花見を楽しんでいたそう。
5)絶景テラス
工房前には、2021年10月にできたばかりの「絶景テラス」があり、ダイナミックなパノラマ風景を楽しむことができます。
6)夢の水鏡
最後にあらわれるのは、絶景テラスを通り抜けた先にある「夢の水鏡」です。
こちらも2021年10月にできたばかりで、大きなテーブルに水を張った、世界初と思われる本物の水鏡です。
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テーブルには筆も用意されているので、あえて水滴を落として波紋を起こすことで、テーブルリフレクションとは違い、本物の水鏡だからこその不思議な絵模様を楽しむことができました。
7)アート化粧室&アート廊下
その他、建物の外観からは想像できないほど派手なアートが施された廊下や、「ぜひ見学していってください」とスタッフさんが声をかけてくださるほど個性的な「水きんくつとアート」と「金魚」という2つのトイレも見どころです。
ライトアップされた夜バージョンの祐斎亭の写真
1年ぶりに再訪。
日中とは異なり、様々な色のライトアップで照らされるため、妖しくも美しい雰囲気。
ただ、ライトアップを楽しむために部屋は真っ暗なので、撮影という点からいうと、どこからどこまでがカメラの画角におさまっているのか、現場ではよく分かりませんでした。
「確かこの辺にこういうものがあったはずだから〜」と1年前を思い出しながら、構図を想像して撮影しましたが、それでも失敗作が多数。
初めて訪れるならば、日中の方が楽しみやすいかもしれません。
もしも夜に訪れるならば、目線やカメラを構える位置をこまめに変えて撮っておくと安心です。
祐斎亭は予約なしでも見学できる?
祐斎亭の見学には事前Web予約が必要で、見学料(2,000円)は当日現金で支払います。
ただし、空きがあれば、当日受付も可とのことでした。
見学するシーズンにより、開館時間やライトアップの実施、お抹茶・お茶菓子の有無は異なりますので、詳細は公式ホームページでご確認ください。
祐斎亭の見学にはどのくらいの時間が必要?
祐斎亭の見学受付は30分ごとになっており、普通に見て回るなら30分で十分楽しめます。
また、30分で退出しなければいけないわけではないので、ゆっくり景色や撮影を楽しむことも可能です。
祐斎亭への行き方
渡月橋から川沿いを進み、福田美術館の前を通過。
そのまま嵐山公園まで進み、川沿いにある食事処「亀山家」も通過したところに写真のような看板が出ているので、この階段を登ります。
食事処「亀山家」の脇にある階段は嵐山公園の中へと進む階段なので、お間違えないように。
階段を登ると祐斎亭の門があらわれるので、そのまま中へどうぞ。
ちなみに、随所に描かれている不思議な鳥について伺ってみると、「八咫烏」とのこと。
奥田祐斎さんの出身が三重県熊野市ということで、そのシンボルである八咫烏を表現しているそうで、確かによく見ると三本足でした。
あ〜、何度ため息を漏らしたか分からないほど美しい場所でした。
ギャラリー名:嵐山 祐斎亭
住所:京都市右京区嵯峨亀ノ尾町6
電話番号:075-881-2331
開館時間:通常シーズン10:00〜18:00 / 紅葉シーズン(11/13〜12/5)は8:00〜21:00
定休日:展示会の開催や貸切時、年末年始
見学料:2,000円
祐斎亭の公式ホームページ
祐斎亭の後は、川沿いや嵐山公園で紅葉を満喫するのもおすすめです。
番外編:祐斎亭などを作庭した庭師さんが手がけるカフェ
京都・嵐山の清凉寺境内にて、祐斎亭などを作庭した庭師さんが手がけるカフェ、庭茶室「Bhagavan(ヴァガバァーン)」がオープンしました。
詳細は執筆した「喫茶できる瑠璃光院のようなカフェが清凉寺境内にオープン」および下記Instagramをご参考ください。
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