
こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
ポルトガルの世界遺産「コインブラ大学−アルタとソフィア」を訪れたので、コインブラ大学の観光レポをお届けします。
ジョアニア図書館はディズニー映画『美女と野獣』に登場するシーンに本当にそっくりだったので、世界遺産好きだけでなく、ディズニーファンの参考にもなれば嬉しいです。
ポルトガルの世界遺産「コインブラ大学−アルタとソフィア」とは

コインブラ大学の創立者ディニス王
ポルトガル第3の都市であるコインブラは、文化の中心地。
13世紀に設立された世界最古の大学のひとつであるコインブラ大学からは、多くの政治家や文化人たち輩出されました。
そして14世紀以降大学として使われている山の手のアルタ地区と、16〜20世紀にキャンパスが置かれた下町のソフィア地区が世界遺産に登録されています。
コインブラへの行き方

コインブラ駅
私は(ユーレイルパスを利用して)ポルトガルの「水の都」アヴェイロから向かったのですが、アヴェイロ駅からコインブラ駅までは、普通列車で1時間ほど。
乗り換えなしなので、迷うことなく到着しました。
もしもリスボン(サンタ・アポローニア駅)やポルト(カンパニャン駅)から、アルファ・ペンドゥラール(AP)やインテルシダーデ(IC)などの特急列車で向かう場合は、市街地から離れた「コインブラB駅」に到着しますので、
町の中心である「コインブラ駅」へは、連結列車に乗り換える必要があります(1駅、約5分で到着します)。
乗り換えや時刻表の確認はポルトガル鉄道のアプリの利用が便利です。
世界遺産コインブラ大学への行き方

世界遺産マークがついているバス
コインブラは小さな町なので徒歩でも回ることができますが、限られた時間内で効率よく観光したいなら、市バスの利用がおすすめです。
特にコインブラ大学は丘の上にあるので、市バスの利用を強くおすすめします。
私はコインブラ大学から町の中心まで歩いて戻らざるをえなくなったのですが(詳細は後述)、傾斜がきつい坂道で、下り坂でもかなり膝にきました…。
市バスの料金と乗車券の買い方

ポルタジェン広場
市バス(SMTUC)の案内所は、町の中心「ポルタジェン広場」の斜め向かいにあります。

市バスの案内所
乗車券は運転手から購入すると1.60ユーロと割高になります。
観光スケジュールによっては、最初の購入時に発券代として0.50ユーロかかりますが、回数券や1日券の購入の方がお得になりますので、あらかじめ案内所で回数券か1日券を購入しておくといいです。
種類 | 料金 | 1回あたりの料金 |
---|---|---|
3回券 | €2.20 | €0.73 |
4回券 | €2.50 | €0.63 |
5回券 | €3.15 | €0.63 |
1日券 | €3.50 | ー |
ただし詳細は後述しますが、市バスの運行時間帯には注意して、購入回数を検討してください。
コインブラ大学へ向かうバス乗り場と乗り方
コインブラ大学へ向かうバス(244番)は、市バス案内所の前から出ています。
また循環バスが「コインブラ大学」や対岸の「サンタ・クララ」などを繋いでいるので、市バス案内所前のバス停以外からでも向かいやすいです。
平日は20分おき、土日祝日は40分おきに運行されています。
回数券や1日券を購入している場合は、運転手の横にある改札機にタッチするだけで乗れます。
市バスを利用する際の注意点
コインブラを市バスで観光するにあたり、私の失敗談から、1点だけ注意事項があります。
それは冬シーズンの市バスは運行時間帯が短いことです。
コインブラに限らず、ポルトガルの市バスは「平日」と「土日祝日」という曜日だけでなく、「夏シーズン」と「冬シーズン」という季節によっても運行スケジュールが異なる場合が多いです。
特に「土日祝日」と「冬シーズン」は極端に本数が減りがちです。
例えばコインブラ大学から出る市バスの場合
- 土日祝日は、10時前のバスが運休
- 10月1日〜3月31日の冬シーズンは、18時以降のバスがすべて運休
私の場合、10月末に訪れており、時間指定されるジョアニア図書館の見学が終わった際には18時を過ぎていたので、もはや市バスで町の中心へ戻ることができませんでした。
当初は「町の中心からコインブラ大学へ」「コインブラ大学からサンタクララへ」「サンタクララから町の中心へ」と、3回は市バスを利用するつもりで3回券を購入していたのですが、回数券を無駄にしてしまいました。
金額的には1ユーロほどとわずかな損失ではありますが、客待ちしているタクシーもジョアニア図書館の見学を終えた観光客が一斉に利用するので、Uberでタクシーを呼ぶか、歩いて帰ることになります。
私はポルト観光で坂道には慣れたと思い、歩いて町の中心まで戻りました。
ただ、綺麗な夜景をゆっくり見れたのはいいのですが、凸凹石畳&傾斜がきつい坂道で、下り坂でも膝にきました…。
冬シーズンに午後からコインブラ観光をする際には、まず市バスの運行時間帯を確認して、回数券の購入や、戻る際の手段を検討しておくのが安心です。
世界遺産コインブラ大学の入場料と見学方法

コインブラ大学の「鉄の門」
大学前でバスを降りると、前方に旧大学への入り口「鉄の門」が見えます。
足元に広がる石畳も素敵です。
まずは看板に従い、「鉄の門」の左手にある「総合図書館」一角にある発券所でチケットを購入します。
ジョアニア図書館の見学つき | 12.50ユーロ |
ジョアニア図書館の見学なし | 7.00ユーロ |
シニア割引や学生割引も用意されているので、該当される方は身分証明書を提示してください。
そしてジョアニア図書館の見学は時間指定制となっています。
チケット購入時にジョアニア図書館の見学時間の案内がされますので、確認してください。
私の場合、2時間後がジョアニア図書館の見学時間だったので、それまで旧大学内や科学博物館をじっくり見学しました。
大学の敷地内は素敵な石畳が敷かれていて、建物間の移動も楽しいです。
コインブラ大学の学生さんたちは、こんな素敵な通学路を歩いているんだな〜。
旧大学
「鉄の門」をくぐると、
旧大学の中庭に出ます。
三方を古い建物が取り囲み、ジョアン3世の像が大学を見守っています。
学生たちが「カブラ(山羊)」と呼ぶ時計塔は18世紀に建造されたもので、大学のシンボルとなっています。
王宮
まずは右側の階段を登って、王宮だった内部の見学へ。
かつてラテン語を話すことが義務付けられていたというラテン回廊には、黒いマントを身にまとった現役のコインブラ大学生が。
思いを寄せた男子学生のマントの裾を、女子学生が歯で噛み切るという、ディニス王時代からの習慣が今も残っているとか。
学位授与の儀式などに使われていた「帽子の間」は、もとは17世紀に造られた宮廷の広間で、壁にはポルトガルの歴代国王の肖像がかかっています。
窓から外を眺めると、それはまるで1枚の絵画のよう。
狭い通路ですが、建物の外に出れば、モンデゴ川とコインブラの町並を眺めることもできます。
礼拝堂
再び中庭に戻り、次は左隣の礼拝堂へ。
全面が色鮮やかに飾られています。

椅子がポルトガルカラー3色なのがオシャレ
礼拝堂の先には学生食堂があり、日常の学生たちの姿を垣間見ることができました。
観光客でも利用することができます。
ディズニー映画『美女と野獣』にそっくり?!ジョアニア図書館の見学方法

ジョアニア図書館の出口は勝利のアーチをイメージして建てられたそう
またまた中庭に戻り、時計塔に向かって一番左端にあるのが、ジョアン5世治下の1724年に建てられたジョアニア図書館です。
ジョアニア図書館の見学は時間指定制で、建物の左側の階段下が入口です。
時間になったら、係りの人による誘導が始まり
- 1階:学内監獄(写真撮影OK)
- 2階:中間層(写真撮影OK)
- 3階:ジョアニア図書館(写真撮影NG)
の順番で見学していきます。
ザッと見たところでは、各回30人ほどが入館できるようです。
そして各階へ上がるのも、時間が決められています。
学内監獄
ヨーロッパの他の名門大学と同様に、コインブラ大学も長年、独自の法制度で自己統治する特権(学術法廷)を有していました。
この特権により学術関係者(教員、職員および学生)が、一般犯罪者との共生から保護されていたのです。
中間層
この部屋は、学内監獄における王立学術憲兵隊の支援と、最上階で閲覧された書物の貸し出し、という主に2つの目的のために利用されてきました。
そして観光ルートに統合されるまで、古書の清掃・修復・分類という作業に利用されてきました。
現在ではエキシビジョンなどで古書の閲覧ができます。
当日は「日葡交流を巡る、5つの象徴的な物語」というエキシビジョンが行われていたので、当時の書物を通じて、日本との交流の歴史が紹介されていました。
ジョアニア図書館

コインブラ大学の公式ホームページより
撮影禁止なのは残念でしたが、ジョアニア図書館は圧倒されるほど豪華絢爛な図書館でした。
そして確かにディズニー映画『美女と野獣』の世界観が広がっていました!
(コインブラ大学の公式ホームページでは、ディズニー映画『美女と野獣』に出てくる4つのシーンとの比較が行われています。)
建設には12年を費やし、建設費用は大学負担で、大学の総収入の3年分相当とのこと。
天井まで壁一面ぎっしり30万冊の蔵書が保管されており、華麗なターリャ・ドウラーダ(金泥細工)による内部装飾が施されていました。
こんな芸術的な図書館が、現役の図書館として今も利用されているなんて!
ちょうど大学教授らしき方が豪華な机で調べ物をされており、まるで映画のワンシーンのようでした。
貸出されている本は白い紙で分かるようになっており、親しみをこめて「ゆうれい」と表現されているとのこと。
また本の保護のため、害虫管理に一役買うコウモリが250年以上前から図書館に生息しているそうです。
内部は3区域に分けられており、それぞれ黒・赤・緑の基盤の上に、金で彫刻が施されています。
「知識を得るための武器として書物を利用するよう」に促すラテン語の碑文も飾られていました。
科学博物館
旧大学の敷地から少し離れたところにある科学博物館も、チケットで見学できます。
向かい合って2つの建物があり、両方とも見学できます。
お〜、理科実験室っぽい。
科学博物館でも日本地図を発見!
貝や鳥の剥製標本がずらり。
骨格標本は迫力があります。
コインブラの夜景
モンデゴ川にかかっている橋を渡ると、対岸のサンタクララからコインブラの旧市街を眺めることができます。
丘の上の大きな建物がコインブラ大学です。
ライトアップされた夜景もとても綺麗なので、時間があれば、対岸にも足をのばされるのがおすすめです。
こんなに綺麗なのに観光客はほぼおらず、時折、地元の人がジョギングで通るだけでした。
以上、ポルトガルの世界遺産コインブラ大学の旅レポでした。
▼コインブラの駅近ホテルをお探しなら

▼映画『ハリー・ポッター』ファンにはたまらない

▼コインブラ近郊の観光情報


