こんにちは、SORESEKAこと「それは、世界遺産がきっかけだった。」編集長のMamiです。
この記事ではポルトガルの世界遺産「ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院」をご紹介します。
徒歩で回れる範囲に集中しているので、1日でも世界遺産の観光を楽しめます。
世界遺産「ポルト歴史地区」観光のおすすめモデルコース
ポルトは商工業で栄えたポルトガル北部の港湾都市で、様々な様式の歴史的建造物が残っています。
そして世界遺産「ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院」は、ドウロ川周辺に集約されているので、観光もしやすいです。
効率の良い、おすすめの観光ルートは
- まずは見所が集中している「ポルト歴史地区」を巡った後
- 「ドン・ルイス1世橋」を渡り
- 対岸にある「セラ・ド・ピラール修道院」からポルトの街並みを眺める
ポルト歴史地区を巡ると時間的には昼過ぎになるのですが、ドン・ルイス1世橋の手前西側には、レストランが並ぶカイス・ダ・リベイラという地区があります。
なのでドン・ルイス1世橋を渡る前に、ちょうど昼食も食べれます。
ドウロ川を眺めながら食事ができるので、お天気がよければ気持ちがいいです。
サン・ベント駅
出発は、ポルトの玄関口であるサン・ベント駅(Sao Bento)を起点にすると移動しやすいです。
なお、サン・ベント駅のホールは、壁一面がアズレージョで飾られているので必見です。
このアズレージョはジョルジェ・コラコ(Jorge Colaco)が1930年に制作したもので、ジョアン1世のポルト入場やセウタ攻略など、ポルトにまつわる歴史的な出来事が描かれています。
サント・イルデフォンソ教会
サン・ベント駅のアズレージョを制作したジョルジェ・コラコのもう一つの作品が、サント・イルデフォンソ教会(Igreja de Santo Ildefonso)です。
丘の上にあるので、坂を登るのはきついですが、サン・ベント駅から近いです。
無料で入れます。
クレリゴス教会とクレリゴスの塔
クレリゴス教会(Igreja dos Clérigos)は18世紀に建てられたバロック様式の教会です。
無料で入ることができます。
そしてポルトガルでもっとも高い76mの鐘楼クレリゴスの塔からは、ポルトの街並みを一望できます。
クレリゴスの塔を登るには5ユーロかかりますが、ポルトカードを提示すると2.50ユーロで登れます。
長く急な石段を上る必要がありますが、塔の隙間から見える街並みも雰囲気があります。
そして塔を登りきると、この絶景!
赤い屋根瓦のポルトの街並みの向こうに、ドウロ川、そして対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区まで眺望できます。
塔は一周できるので、目の前に広がっている景色は何なのか、案内を見ながら見比べると、より楽しめます。
カテドラル(ポルト大聖堂)
旧市街で最も古いカテドラル。
ポルト大聖堂やセ大聖堂(Sé do Porto)と呼ばれ、ポルト大聖堂が司教座のおかれた聖堂であることを意味しています。
元は要塞として12世紀に建てられ、17~18世紀に改修が加えられました。
当日は長蛇の行列ができていたので入場を諦めたのですが、内部は17世紀の銀細工の祭壇やゴシック様式の回廊が見られます。
丘の上に建っているので、カテドラルの広場からもポルトの街並みが楽しめます。
遠くにはクレリゴスの塔も見え、ポルトガル一の高さの鐘楼というのを実感します。
私が進んできた北側の外壁は、美しいアズレージョで飾られていました。
このアズレージョは、クレリゴス教会を設計したイタリア人建築家ナソーニによって、18世紀に付け加えられました。
カテドラルの近くには、高級石鹸メーカー「クラウス・ポルト(Claus Porto)」の直営店があります。
ボルサ宮
ボルサ宮(Palacio de Bolsa)は、火災で消失したサン・フランシスコ修道院の跡地に1834年に造られました。
「ボルサ」とはポルトガル語で証券取引を表し、ごく最近まで証券取引所として使われていました。
当時のポルトの経済力を誇示するために18年かけて造られたので、内部は豪華絢爛で見応えがあります。
ただ、ボルサ宮の見学はガイドツアーでのみ可能となっています。
ガイドツアーの所要時間は約45分。
ポルトガル語、英語、スペイン語、フランス語の4ヶ国語で行われており、各ツアーの開始時間や予約状況はチケット売り場に表示されています。
私は昼時に訪れたのですが、直近の英語ツアーは既に満席。
そこで一旦は見学を諦め、他の観光地を先に巡り、夕方に再度訪れてみたところ、直近の英語ツアーが空いていたので見学することにしました。
「待ち時間なく、今すぐ見学したい」という方は、言語を気にせずに、直近の空いているツアーに参加するのも一つの方法です。
なおボルサ宮の見学は10ユーロですが、ポルトカードを提示すると7.50ユーロで見学できます。
アルハンブラ宮殿を模した「アラブの間」は圧巻の美しさでした!
サンフランシスコ教会
ボルサ宮の裏側の建物がサン・フランシスコ教会(Igreja Monumento de São Francisco)です。
目の前にはドウロ川が広がっています。
向かって右側に教会、左側に美術館があります。
まず左側の美術館でチケットを購入し、教会を見学した後、美術館を見学するよう促されます。
見学には7.50ユーロかかりますが、ポルトカードを提示すると5.50ユーロで見学できます。
教会の内部はターリャ・ドウラーダ(金泥細工)と呼ばれるバロック装飾が豪華に施され、金箔の輝きと、そのゴツゴツとした装飾から生まれる陰影などで迫力があります。
まるで金の洞窟にいるかのようです。
18世紀初頭ブラジルから流入した大量の金が惜しみなく使われたそうです。
中でも、向かって左側にあるキリストの系図「ジェッセの樹」は必見です。
エンリケ航海王子の家
ドウロ川の目の前にエンリケ航海王子の家(Casa do Infante)があります。
14世紀前半に建てられ、19世紀までは関税事務所として使われ、現在は文書局として利用され、一部が博物館として公開されています。
入館料は2.20ユーロですが、ポルトカードを提示すると無料になります。
博物館では、遺構がのぞけたり、当時の土器やタイルが展示されていたり、大航海時代の歴史や植民地時代の様子などが紹介されていました。
なおエンリケ航海王子がこの家で生まれたとされていますが、その真偽のほどは定かではないとのことです。
「エンリケ航海王子の家」〜「ドン・ルイス1世橋のたもと」に広がるカイス・ダ・リベイラ(Cais da Ribeira)エリアには、レストランが密集しているので、昼食に最適です。
Jimao(ジマオン)のタコのパスタ、とても美味しかったです!
ドン・ルイス1世橋
ドン・ルイス1世橋(Ponte de Dom Luís I)は、上下2段の鉄橋。
ポルトでは18世紀からポートワインを輸出しており、旧市街と、ワイン工場のあるドウロ川対岸を、19世紀にドン・ルイス1世橋が結びました。
橋の上はメトロが通っていますが、歩くこともできます。
橋の下は市バスが通っていますが、歩くこともできます。
ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア
ドン・ルイス1世橋を渡ったドウロ川対岸は、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア(Vila Nova de Gaia)という地区になります。
橋を渡りきり、振り返れば、旧市街が一望できます。
川沿いにはワイナリーがたくさん並んでいるので、ワインがお好きな方は散策されてみてはいかがでしょうか。
ポルトカードの特典の中には、ワイナリーツアーの割引もあります。
セラ・ド・ピラール修道院
セラ・ド・ピラール修道院(Mosteiro da Serra do Pilar)は1537年に建てられました。
高台に建っているため、修道院前の展望台はドン・ルイス1世橋とポルトの街並みが眺められる名所として、現地カメラマンも推薦していました。
ただ川沿いからセラ・ド・ピラール修道院へ「徒歩で」向かうのは、おすすめしません。
傾斜角度がかなりきつい坂を、ひたすら登り続けないといけないからです。
私は大雨が降るなか徒歩で向かった結果、修道院が視界に入った段階で心が折れ、引き返しました…。
旧市街のカイス・ダ・リベイラからなら、一旦ケーブルカーで高台へ上がり、ドン・ルイス1世橋の上側をメトロもしくは徒歩で向かうのがおすすめです。
対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアからなら、ロープウェイの利用がおすすめです。
途中で引き返してしまいましたが、ドン・ルイス1世橋とポルトの街並みは、中腹からでも十分に楽しめました。
セラ・ド・ピラール修道院の見学は次回の楽しみにとっておきます。
以上、ポルトガルの世界遺産「ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院」のご紹介でした。
ポルトには、ポルトカードやアンダンテカードなど、観光に便利な市内交通カードもありますので、私の失敗談も参考に、お得に&効率よく楽しんでくださいね。